■『教場0』は負けていない?
しかし、『教場0』は視聴率で負けたものの、実は配信サービス「TVer」の数字では、『ラストマン』を上回っているのだ。お気に入り登録者数を見ると『教場0』が約110万に対し、『ラストマン』は約72万(5月2日現在/以下同)。初回放送のいいね数でも『教場0』が3.9万で、『ラストマン』の2.9万に大きな差をつけている。
「もともと『ラストマン』の日曜劇場は、視聴者の年齢層が高く、配信に弱いんです。まして今回は福山と大泉というベテランだから、視聴者の年齢層は高めでしょう。一方の『教場0』は赤楚に新垣、後半にかけて北村匠海(25)が登場と、若い層に人気の俳優がそろっています。差がつくのは当然かもしれません」(前同)
また、主演こそ木村拓哉となっているが、作中での木村は一歩引いた立場で、それぞれバディが主役となるかたちをとっている。ドラマの構造も若者の支持を受けやすくなっているのだ。
「大物俳優を前に出し、目の前の視聴率を取りにいった『ラストマン』に対し、『教場0』は数字にプラス、将来を考えているように思えます。赤楚や北村のような若手俳優が、ベテランの木村と組むのは学ぶことも多いでしょう。ドラマの中だけでなく、現場がすでに教場となっているわけです。さらに将来、ドラマ界を背負っていくであろう2人と縁ができれば、局もうれしい。実に有意義な試みだと思いますよ」(前同)
配信での数字、そして若手俳優の起用法。視聴率では『ラストマン』に負けているが、長い目で見れば、『教場0』の勝ちなのかもしれない。