■朝ドラで宇野千代を描き切れるのか?
気になるのは、モデルである宇野千代の奔放すぎる恋愛遍歴だ。4度結婚し、4度離婚して、そのほかにも著名人との浮名は数多く、出会ったその日から同棲を始めるなど、とにかく奔放。朝ドラでこれを描けるのか、不安の声も多く、X上には、《宇野千代さん、倫理・道徳的にはハチャメチャだが、批判されるのだろうか?》などの声が。
第1週試写会後の会見で、晩年の珠を演じる加賀まりこ(82)が「宇野千代さんのような自由闊達に生きた女性をヒロイン(のモデル)に選んだNHKの判断が中途半端に、きれいごとにならないよう、しっかりと作ってほしいなと心から祈っています」とコメント。確かに評判を気にして中途半端に描けば、物足りないものになっていまうだろう。
しかし、宇野千代は恋の人である一方、ファッション雑誌の創刊や着物のデザインや販売など、次々に商売を当てていった実業家の面もある。お仕事ドラマとしてのトピックも、山のようにあるのだ。そちら側の生涯にスポットを当てれば、恋愛遍歴のエピソードがたとえ軽めだったとしても、十分に面白いドラマになるはずだ。
ドラマ公式サイトでも、《苦難の中でも「幸せのかけら」を見つけ、常に前に進むことで人々の背中を押し続けた生涯を描きます》とうたっている。恋愛遍歴にこだわらず、震災に戦争、倒産に借金と、波乱万丈に満ちた出来事が幾度も押し寄せても、たくましく生き抜いた葉野珠の物語に期待だ。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。