日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、9月から実施された「生活道路の時速制限」に関する話です。

 道路を走るドライバーにとって注意したいルール変更が始まります。9月1日より改正道路交通法が施行され、主に道幅5.5メートル未満で中央線や中央分離帯、速度標識のない「生活道路」の法定速度が、従来の「時速60キロ」から「時速30キロ」へと一気に引き下げられることになりました。生活道路は全国の一般道路の約7割を占めており、都市部の住宅街から郊外の農道や山道、土手の道に至るまで、広範囲な道路に一律で適用されます。

 今回の決定の背景にあるのは、歩行者の命を守るための安全対策です。警察庁のデータによると、自動車の走行速度が時速30キロを超えると、事故が発生した際の歩行者の致死率は急激に上昇します。一方、時速30キロ以下であれば、致死率は1%を下回ることが確認されています。こうしたデータを踏まえ、最高速度を従来の半分となる時速30キロに引き下げることで、生活道路における死亡事故の抑止を目指すのが今回の措置です。

 しかし、ドライバーにとって、この変更は決して小さなものではありません。これまでは、速度標識のない生活道路では原則として時速60キロまで走行することが可能でした。ところが、9月以降に時速60キロで走行して摘発された場合、制限速度を時速30キロ超過した「30キロオーバー」の速度違反に該当します。その場合、違反点数として6点が加算され、前歴がないドライバーであっても、一度の違反で30日間の免許停止処分を受けることに。さらに、刑事処分として10万円以下の罰金が科される恐れもあります。