日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、現代の若者が苦労する人間関係についてです。
若者を中心としたコミュニケーションの現場で、人間関係にまつわる新しい言葉が次々と広がりを見せています。恋愛や結婚にとどまらず、友人関係の在り方そのものが問い直されるなか、今注目を集めているのが「フレフレ(フレンドフレーション)」や「フレネミー」といったワードです。SNSの浸透や経済環境の変化が複雑に絡み合い、令和の若者たちが抱える心理的な疲弊や距離感の取りづらさが、言葉として可視化されてきました。
まず「フレンドフレーション」とは、友達を意味する「フレンド」と、物価高を意味する「インフレーション」を掛け合わせた造語です。海外で生まれたこの言葉は、物価上昇や生活費の高騰によって交際費や外食のコストが上がり、交友関係を整理・選択する動きを指します。
背景にあるのは物価高だけではありません。SNS時代においては、友達と会うこと自体が「映える体験」を共有・発信する行為になりやすく、おしゃれなカフェでの飲食代やイベント費、プレゼント代など、関係を維持・演出するための交際コストそのものが跳ね上がっている現状があります。
こうしたコスト負担の増大から、リターンの見えづらい付き合いを時間や費用の無駄と捉え、誘いを断ったり関わりを減らしたりする傾向が若者の間で強まっているようです。将来に対する漠然とした経済的不安や、限られたお金と時間を無駄にできないという切実な事情から、生活防衛の意識が交友関係にまで及んでいる様子がうかがえます。