現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。

 阪神と巨人の試合は昔から「伝統の一戦」と言われてきました。今の選手たちが、それをどこまで意識しているかは分かりませんが、才木浩人なんかを見ていると、巨人相手に投げるときは明らかにギアが一段上がっていますね。

 もともと才木は「ミスターポジティブ」と言ってもいい性格で、何ごとも前向きに考えられるタイプ。巨人戦は11連勝中(9月12日時点・以下同)ですが、これも勝つたびに自信を高めていった結果だと思います。

 そんな投手陣に引っ張られたのかチームも絶好調!今季までの5シーズンに限れば、77勝44敗3分とタイガースが大きく勝ち越しています。ただ長い歴史を振り返ると、直接対決は巨人が大きく勝ち越しているのが実情。2リーグ制以後の通算対戦成績は、タイガース側から見ると921勝1143敗77分です。

 自分の現役時代を思い返しても、どのチームも巨人に対しては、どこか名前負けしていました。それもそのはず、スタメンにはFA戦線で獲得したスター選手が名を連ね、優良助っ人外国人は札束攻勢で根こそぎ奪い取っていましたから。ところが、ここ数年は得意の強奪補強に陰りがでてきたからか、形勢逆転。巨人のほうがタイガースを意識しているようにも見えます。それだけタイガースの戦力が充実しているんでしょう。