キャンプだけじゃない。「防災用品」としても相性がいい理由
そして、冒頭でも触れたように、デュアルガスバーナーストーブが注目される理由はキャンプだけではない。もうひとつ見逃せないのが「防災」という使い道だ。
災害によって電気や都市ガスが止まったとき、湯を沸かしたり簡単な調理をしたりできるバーナーは心強い。なかでも家庭用カセットコンロでなじみのあるCB缶にも対応していることは、アウトドア専用のギアとして終わらせないポイントになる。実際、コールマン公式オンラインショップでも同商品は「防災・緊急時用品」のカテゴリーで扱われている。
「防災という意味でも、普段のキャンプで使っている道具をそのまま非常時に使えるのは強いです。防災用に買って一度も使わずにしまったままの道具より、何度も着火して火力調整まで分かっている道具のほうが、いざというときには使いやすいですから」(前出のアウトドアギア専門店店長)
ただし、ここで誤解してはいけない。「CB缶とOD缶の両方が使える」ことと、「メーカーを問わずどんなガス缶でも使える」ことは別の話だ。使用する燃料については、メーカーが指定するものを確認する必要がある。それでも、キャンプ場では使い慣れたOD缶、状況によってはCB缶と、一台で燃料を使い分けられるメリットは小さくない。
「バーナーはもう完成された道具なので、新商品を出しても“今持っているもので十分”と思われやすいジャンルです。そのなかで、すでにバーナーを持っているキャンパーにも“買い替える理由”を作った。久しぶりにキャンプ用品らしいヒット商品が出てきたという印象があります」(前同)
“これがないとキャンプができない”わけではない。それでも、今持っているバーナーより確実に便利そうだから欲しくなる。
新しいギアを買う理由が少なくなった成熟市場で、コールマンが生み出したのは派手な新機能ではなく、キャンパーが長年感じていた小さな不便をひとつ消す道具だった。デュアルガスバーナーストーブの品薄は、そんな“実利”こそがいまのキャンパーの財布を動かすことを示しているのかもしれない。