■「本来予定されたサービスではないのであれば」――弁護士からの見解
ガクテンソク・奥田が目撃した新幹線の車掌に対するクレームは、カスハラに該当するのだろうか。また、カスハラに該当する場合、客側にはどのようなリスクが生じるのだろうか。本サイトは弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士に解説してもらった。
――今回、『DayDay.』で取り上げられた“乗客を起こす”というのは車掌業務を超えていると考えられ、それでクレームまで入れるのはカスハラではと考えられますが。
「今回のケースは、カスタマーハラスメントに該当する可能性があると考えます。ただし、報道されている”起こせよ”という一言だけで、直ちにカスハラと断定するのは難しいでしょう。
乗客を降車駅で起こすことが本来予定されたサービスではないのであれば、寝過ごした責任を車掌に負わせる要求には合理性が乏しいといえます。そのうえで、強い口調で謝罪を迫ったり、執拗に責任を追及したりすれば、社会通念上許容される範囲を超えた要求として、カスハラと評価される可能性が高まります。一方、”なぜ起こしてくれなかったのか”と確認する程度であれば、通常の問い合わせの範囲でしょう」
――この行為がカスハラに該当する場合、客側にはどのようなリスクがありますか。
「仮に今回の行為がカスハラに該当しても、”カスハラをした”という理由だけで乗客に刑事罰が科されるわけではありません。2026年10月1日施行の改正法は、主に企業側へカスハラ防止措置を義務付けるものです。
ただし、行為がエスカレートして、暴行や脅迫、強要、侮辱など各犯罪の要件を満たせば、刑事責任を問われる可能性があります。
また、JR東海グループは、カスハラに対して必要に応じて顧客への対応を中止し、悪質な場合には警察や弁護士等と連携して厳正に対処する方針を示しており、実務上はこうした対応を受けるリスクもあります」
正木絢生(まさき・けんしょう)弁護士
弁護士法人ユア・エース代表。第二東京弁護士会所属。消費者トラブルや交通事故・労働問題・相続・詐欺事件・薬物事件など民事事件から刑事事件まで幅広く多数手掛ける。
BAYFM『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などメディア出演も多数。YouTubeの「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、ユア・エース公式チャンネル「ちょっと気になる法律相談」では知っておきたい法律知識を配信中。
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