■「復讐しているのか」「窮屈とは」――渡部篤郎・清治への考察が沸騰
前述のように清治(渡部)は弟の清重(三浦)に家督を譲っているが、同回では本家の酒蔵から使いが訪れ、“そろそろ働いてほしい”という本家からの伝言を伝える。それを聞いた清治は、清重を酒席に呼び出す。
そして約束の日。料亭で待つ清治のもとに、清重が足を引きずりながらやって来た。しかし、清治は用意していた清重の丼にひよこを仕込んでいて清重を驚かせ、「これが答えじゃ。意地でも働くか」と大笑い。
清重が「話が違う」と嘆くと、清治は「こっちのセリフじゃ!」と激怒。「親父に泣きついたんは誰なぁ? ……ワシが身を引く代わりに、毎月金をよこす言うたんはお前じゃろう! お前のその足じゃあ、どこも雇うてくれん。今のお前があるんは、ワシが身を引いたおかげじゃろうが! ワシぁ一生自由に暮らす。そう決めたんじゃ」と畳みかけると、清重は「そがあなことをしても、兄貴の窮屈は変わらん!」と吐き捨てて帰ってしまう。
その日の夜中、珠は厠(トイレ)に行こうとふすまを開けたところ、夜桜が舞い散るなか、カナリアを見つめる清治の姿を目撃。学校の宿題「父について」の作文を徹夜で書き上げる――という展開だった。
弟をひよこでばかにして大笑いした日の夜に、鳥かごのなかのカナリアを見て寂しげに笑みをこぼす清治の様子は、朝ドラ放送後すぐの情報番組『あさイチ』で恒例の“朝ドラ受け”でも取り上げられた。
博多華丸大吉の博多大吉(55)は「お父さんが何をしたいのかが私はまださっぱり。まだ3回目なので」とコメント。鈴木菜穂子アナウンサー(44)も「何をそんなに悩んでいるのかちょっと分かんない」と清治について言及。そして博多華丸(56)が「えらい鳥に執着しているよね」と語ると、大吉は「いたずらも鳥が出てきて、ひよこ……」と反応していた。
単なる“クズ父”ではなく、弟や本家を巡って複雑なバックボーンがありそうな清治の様子に、視聴者の間では“考察”が沸騰。
《もしかしたら清治は自分が何時までも働かないクズで居れば、弟の清重が家督を奪ったと世間から噂されない為にと考えているのかな、、。それなら優しい窮屈だし、自由に羽ばたきたい鳥への愛もなんだか頷けるのだけど、、、まだ解らないわよ》
《清治はきっと帝王学叩き込まれて滅茶苦茶厳しく育てられたのに、弟は脚が悪いからと甘やかされ終いには家督まで譲らされることになるポジティブに考えるとタマに対しても弟みたいに甘やかしちゃいけねえとかいう使命感があるに違いない》
《清治はクズと呼ばれることで本家に恥をかかせて復讐しているのか。長男に生まれて跡継ぎとして育てられたのに父と弟に裏切られたと思ったんだろうな。好き勝手に振る舞えば振る舞うほどその考えに縛られている。自由と窮屈》
《実の娘でありながら珠にも今一つ正体が掴み切れない父親清治。代々続く酒蔵の跡目を足の悪い弟に譲った経緯があったのね。その弟も口にしていた清治の窮屈とは一体何なのか。そこに正体があるのよね。鳥籠の中の鶯を愛でる父を見て、珠にはそれが何なのか分かったのかしら》
といった声が寄せられている。
自由を束縛されている状態を表す言葉として「籠の中の鳥」というたとえがある。奔放に振る舞う清治だが、何かに縛られているようにも見える。劇中のカナリアは、そんな清治自身を象徴しているようにも思えるが、果たして――。
特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。