■商品名が会社名になったケースは他にも
実は、こんな“名前の勘違い”は身の回りにゴロゴロしている。
「掃除でおなじみの『コロコロ』もニトムズの商標です。1983年の発売当初は『粘着カーペットクリーナー』という名前でしたが、お客さんから『あのコロコロするものがほしい』と問い合わせが来るようになり、85年に『コロコロ』へ改名しました。消費者が呼んでいた愛称が、本当の商品名になったんです」(前出のビジネス誌ライター)
『万歩計』も山佐時計計器の商品名・登録商標で、一般名称は『歩数計』。『マジックテープ』もクラレの登録商標で、一般名称は『面ファスナー』だ。こちらは1964年に開業した東海道新幹線の客席ヘッドレストカバーの留め具に採用され、全国に名が広まった。
「『ウォシュレット』も温水洗浄便座全般の名前ではなく、TOTOの商品名です。名前は『Let's Wash』をヒントに作られた造語で、1980年に発売。その後、『おしりだって、洗ってほしい。』というCMなどで一気に知られるようになりました。『宅急便』も同様にヤマトグループの登録商標で、一般名称は『宅配便』です」(前同)
さらには、『プチプチ』にように商品名が有名になりすぎた末に、それが会社名になったケースもある。
「代表的なのが『味の素』です。商品は1909年に発売され、会社が『味の素株式会社』を名乗ったのは1946年。『ヤクルト』も1935年に商品が登場し、『株式会社ヤクルト本社』が設立されたのは1955年です。接着剤の『セメダイン』も商品名が先で、後に会社名になりました。ヒット商品が企業そのものの顔になり、社名にまでなるケースは昔からあるんです」(同)
普段何げなく口にしている名前にも、意外な歴史が詰まっているのかもしれない。