■フジテレビの本気さを感じる『ポリティカルパン』
そして、注目は北野拓プロデューサーだ。NHK出身で24年にフジテレビに転職。野木氏とは『フェイクニュース』(NHK総合)、『フェンス』(WOWOW)で組み、メットメディアや沖縄などの社会問題に切り込んできた。本作は架空の国が舞台ということで、誰に遠慮することなく怪盗を暴れ回らせ、政治とカネというテーマを大胆に描いてくれるだろう。
フジテレビの今期ドラマは、『波うららかに、めおと日和』は第2弾で、『救命病棟24時』は1999年から続くヒットシリーズ、『南田南弁護士は天才肌』は人気韓国ドラマのリメイクと、手堅いラインナップで守りに入っている感があった。しかし、海外共同制作の『kiDnap GAME』と本作には攻めの姿勢を感じる。おおいに期待したいところだ。
前期の『Tokyo middle 30』、『さよならノワール』は、ともに全話平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)が世帯で2%台と不振に終わったが、どちらもフジテレビの良心を感じる良作だった。『silent』などのヒット作が出てもあとが続かずドラマが低調な同局だが、本作が起爆剤になり、かつての勢いを取り戻してほしい。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。