■『ブラッサム』は演出がすごい
また、朝ドラ定番である幼少期の描き方が巧みだと話題になっており、X上では、《『カーネーション』(※2011年度後期朝ドラ)は夏木マリの糸子が終盤になって出てきたから拒否感出ても仕方ないかなって感じだったけど、今作は序盤からきちんと明示されてるし要所要所で晩年の珠が出てきて違和感軽減されてとても良い》などと、違和感の無さに対する声が。(※編集部注)
老年期の加賀を最初から見せたうえで、背後に幼少期役の村上を入れ込むことでブリッジを作り、石橋はオープニング映像でキュートなダンスを披露。一週間の中でうまく3つの年代を混ぜ込んでいるうえ、3人のキャラが統一されていることもあり、第2週からの女学校編も違和感なく見られそうだ。この演出、構成は見事。
また、大阪放送局制作の前作『ばけばけ』でも話題になった光の使い方が絶妙で、鬱屈した青治(渡辺)まで美しく描いており、まるで映画のよう。背景の縦と横の線を使った画作りも同様に美しい。物語の緩急の付け方も絶妙で、父に蔵に閉じ込められるも本に夢中になったり、作文で父がごきげんになったところで母がカナリアを逃がしてしまうなど、視聴者の心を見事に揺さぶっていく。
初週からNHKの本気具合がビシビシ感じられた本作。このハイクオリティなドラマがあと半年も続くというのだから、もはや楽しみでしかない。10月5日から始まる第2週からは、石橋が本格登場。高等女学校の4年生となった珠に、清治が縁談話を持ってくるようだが、サブタイトル「父からの、解放」の意味が気になるところだ。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。