■“55秒の密室”のラスト、野崎に何かを話しかけているリュウの姿が
まず前提として、リュウ(堺、一人三役)は野崎(阿部)のことを愛している。そして、第16話で5年ぶりの再会を果たした際には、野崎にむけて数字やジェスチャーを用いた暗号をしているかのような描写があった。
そして4日の第19話では、リュウと野崎が1対1で向き合う尋問場面が意味深だと注目を集めた。リュウは扉に鎖を巻いて、誰も入ってこないから安心してとアピールしてから「テント」の話を聞き出そうとするも、野崎が監視カメラを指さしたことから、リュウは「まだこれがありましたね。これでは、2人だけの会話を楽しめませんね」と、部屋中のカメラの回線を切断。
通信を遮断されたことに怒った責任者のハン・リンシン(宮下今日子/51)が慌てて部下に指示を出し、鎖はしばらくして電動カッターで切断されて、ハンらはおよそ55秒後に尋問部屋に突入。リュウは悪びれず「こんなバカげた突入をしなければ、最後まで(テントの情報を)聞けたんですがね」と話し、今度はハンと2人だけで話す。
ハンらシンシーは、科学者エリシャ・ママドフ(Manaf Dadashov)から核融合技術を手に入れようとしていて、それには野崎が知る「テント」の情報が不可欠。リュウは自身の出世を条件にハンと交渉し、核融合チームの新たな責任者となる確約を得る。
そして、エリシャを囲っている情報ブローカー・タイラン・グリエワ(Mirze Aghabayli)の屋敷に野崎とドラムも同行させて、タイランの話す情報の裏取りを――というのが、第19話のリュウと野崎関連の流れだ。
リュウに操られ、精神状態が限界を迎えているように見える野崎だが――監視カメラの存在を指摘する際の反応は遅くはなく、茫然自失という様子でもなかった。加えて、リュウはハンらがドアを開けるまでに野崎に何かを伝えているような描写も……。
さらに、第19話放送後に解禁された第20話予告では、野崎の目がアップで映る場面があったが、ここ数話の憔悴していた感じではなく、生気を取り戻したような強さを見せていた。
また、第19話放送前に公開された“後半戦”の予告映像では、リュウの「さようなら、野崎さん」というセリフや、《仲間との別れ》という煽り文の直後に、野崎が「やめろーっ!!」と叫ぶ場面などが紹介されている。やはりリュウは味方で、最後は愛に殉じるのかも……とそこからは感じてしまう。
リュウが約55秒間の密室を作り、その時間で野崎に何かを伝えていそうだったこと、監視カメラを見つける野崎の様子、そして、次回予告で見せた野崎の目力――今回生じた3つの謎に加えて、過去回の意味深描写もあり、
《野崎がどのくらい正気を保っていられているか劉にも分からない。(略)どこにいるかと聞かれてカメラを指させたんだから野崎は正気》
《監視カメラ切ってから突入されるまで一瞬2人になったやん。 あのときに救出の作戦話してるって思いたい》
《リュウは味方だ 野崎さんへの愛情は変わらないのかも》
《予告見た!野崎さんの目に生気が!》
《時々、虚ろな野崎さん目に力が入る気がするのはわたしだけでしょうか? 直接、野崎さんに聞かせるための作戦であって欲しい》
《ハンには出世したいと説明したリュウ。でも、その後やったのは、潜入捜査官だと知っている野崎を、核融合の核心へ連れていくこと。出世したから近づけたのではなく、野崎たちを連れていくために出世したのでは?》
といった、“やはりリュウは味方なのでは”という考察が多く寄せられている。
主人公・乃木(堺)と比肩する優秀な人物として描写されている野崎が、あっさりと敵に洗脳されるというのも考えにくい。現状、視聴者からの株を落としている野崎だが、リュウが作り出した“55秒の密室”から、逆転劇が始まるのかも――。
特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『VIVANT』第1シーズンでは考察を大いに楽しんだ。