■節約生活とは思えない満足感
【2日目/残金668円】希望をつかみ取れ
記者という仕事がら、取材で外に出ることも多い。そこで、昼食は基本的におにぎりを持参することにした。具は、小松菜をゴマ油としょうゆで炒めた、自家製ふりかけだ。
取材を終え、近くの公園で、おにぎり2つを頬張る。9月とはいえ、まだ暑い。水分補給は欠かせないが、問題は、どうすれば安く飲み水を確保できるかだ。
目をつけたのは、「無印良品」の無料給水サービス。店内の給水機は、営業時間内なら誰でも利用できる。無印良品で購入したボトルでなくてもかまわないというのだから、利用しない手はない。遠慮なく水を補給させていただく。
「この生活に、もはや死角はない──」
おにぎりを完食し、意気揚々と喉を潤す。
帰り道、ゲームセンターが目に入った。涼みがてら、店内に足を踏み入れると、なんと、クレーンゲームの中に洗剤が! 周囲を見渡せば、トイレットペーパーやティッシュ、調味料まで。最近は日用生活品の景品が増えているらしい。
そんな中、目に飛び込んできたのが、5袋入りのインスタントラーメンだ。
「こちら、大変取りやすくなっております〜」
通りすがりの店員が、声をかけてきた。台をよく見ると、“取れすぎ注意!”の文字。このラーメン、スーパーで買えば350円以上はする。100円で取れれば、かなりの節約だ。
店員の言葉、誘い文句、そして3本爪のアーム──やらない理由がない。いざ100円を入れ、ラーメンに狙いを定める。降下ボタンを押し、後は、落ちてくるのを待つだけ……。
しかし、だ。ロケット花火のような金切り音で急降下したアームは、袋にぶつかると、すぐに腰を折った。掴み上げる気配もなく、あっけなく散ったのだ。
やけになり、もう100円──財布に手を伸ばしたところで、我に返った。2000円生活の100円は、もっと重いはずだ。とっさに、黒い画面のスマホを耳に当てた。誰かに呼ばれたフリをしながら、その場を去るのであった。
【3日目/残金568円】心に余裕と潤いを
この日は、朝から原稿に追われていた。朝9時に始まり、原稿を終えたのは夜22時頃。たくさん働いた後は、一杯やりたいところだ。そこで、プライベートブランドの缶チューハイ(107円)を買ってきた。
肴は、キャベツと卵、片栗粉で作ったお好み焼きと、ワカメスープ。節約生活とは思えない満足感に、昨日のゲームセンターでの失態も霞んでいった。
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【後編】知恵を絞れば、タダで最新の高級車に乗ることも、野球の試合を観戦することも可能だ。物価高の令和を生き抜く究極のサバイバル生活の結果や、いかに……。《【後編】はこちらから》
望月 理恵子(もちづき・りえこ)
健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、小田原短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。『栄養学の◯と×』、『やせる時間に食べてみた!』など著書も多数。