■最後の晩餐
【6日目/残金461円】持久戦の始まり
6日目ともなると、さすがに食材が減ってきた。朝・昼・晩と食事は自炊して食べるようにしているが、とうとう昼のおにぎりも具なしになった。
残りは、あと2日。ラストスパートの景気づけに、度数を上げてストロング缶(107円)を買う。鶏胸肉を焼き、塩キャベツを添えて一杯やった。
調べると、どうやら、焼きそば麺でラーメンが作れるらしい。調味料を駆使してスープを作り、茹でた焼きそば麺を入れてみる。
味は、悪くない。クレーンゲームで失敗して食べられなかったラーメンを、見事に夕食で堪能することができた。
【7日目/残金354円】挑戦成功なるか!?
ついに最終日を迎えた。最後の卵をご飯に乗せ、みそ汁とともにいただく。具なしのおにぎりとも、今日でおさらばだ。
取材中、街でユニフォーム姿の高校球児を見かけた。どうやら、近くで秋季県大会をやっているらしい。大会は3回戦まで入場無料。第3試合なら、取材後でも間に合いそうだ。
観戦した試合は、プロ野球選手を多数輩出する強豪A校と、聞きなじみのないB校の一戦。戦力差はすぐさま明確なものとなった。
A校は2回裏、8番打者までもが本塁打を放つ層の厚さを見せつける。コールド負けこそ免れたものの、B校は防戦一方のまま敗退した。
試合後、スタンドでは両校のエール交換が始まった。勝利したA校は、スタンドにも部員が多い。だが、B校応援席には、部員が一人もいなかった。
「フレー! フレー! A校!」
突如、くぐもったオヤジの声が空にこだました。見ると、B校の選手の父兄と思しき男性が両手を広げているではないか。他の保護者たちも、その声に続いた。
あの勇気を、球児たちは理解できるだろうか。A校に向けたものだったとはいえ、堂々たる父親のエールに、勝手に、この1週間を称えられたような気がした。
ならば最後は、自らねぎらう番だ。残金はまだある。『日高屋』に向かい、ウォッカソーダと3個餃子を注文した。ウォッカが喉を熱くするたび、この1週間の記憶が頭をよぎった。
「こんな企画、無理かと思ったけど、なんとかやり切ったな」
空のジョッキを置き、レジへと向かう。物価高に、もう負けはしない。
「お会計、460円です」
106円足りない! 結局、1週間の合計は2106円という結果になった。もしもの時のための予備費でなんとか支払いはできた。6日目のストロング缶を我慢していれば……。
1週間を2000円で過ごすことは不可能じゃないことは分かった。だが、まだまだ改善の余地あり。もっと健康的で、より持続可能な生活ができる気がする。全国のオヤジの皆様、次なる挑戦に向けて、もう一声エールを頼む──。
※ ※
【前編】令和のクレーンゲームの景品は、ぬいぐるみだけじゃない。食品から生活必需品まで幅広くラインナップされている。100円玉1枚で“希望”はつかみ取れるのか!?《【前編】はこちらから》