■わからないことだらけな『LOST10』

 約3週間前に更新された予告第3弾には、事件を追う小駒と直、遭難者とその関係者ともに、氷に包まれた海で沈みそうになっている大きな船、「何が本当で誰が嘘言ってんのか」「すべてを疑え」という緊張感のあるセリフ。さらに目隠しをされて拉致される小駒と直の姿が見られるが、本筋はよく見えてこない。

 物語が動き出せば、いろいろなことが絡み合いながらわかっていく作りなのだろう。塚原・新井・奥寺タッグで大ヒットした『最愛』も、人間関係が複雑に絡み合い、物語が進むにつれて全体像が見えてくる作りだった。本作もおそらく同じ作りで、これによって考察が盛り上がり、視聴率や配信の数字が一気に跳ね上がるかもしれない。

 今期ドラマで考察といえば堺雅人(52)主演の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)の第2シーズンがあるが、「誰それのあのときの表情が……」など、考察のヒントとなる内容が細かすぎてクイズレベルになっている。それよりも、じっくり考察を楽しむなら『LOST10』が良さそうだ。

 Netflixで世界配信されることも決まっている本作。考察はさておき、この布陣ならつまらないドラマになるはずがない。演出の塚原あゆ子氏は公式サイトで「遭難事件は始まりに過ぎない」とコメントしており、事前情報では想像できない壮大なドラマが見られそうだ。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。