9月に、「千本鳥居」で有名な京都市内の伏見稲荷大社で、外国人観光客らが鳥居の下で踊る動画がSNSで次々と拡散され、炎上した。
こうした状況を受け、伏見稲荷大社側は同月、公式サイトで「境内において参拝者の通行を妨げるダンスパフォーマンス等、神域の尊厳を損ない、他の参拝者のご迷惑となる行為が見受けられます」とし、節度ある行動を求める注意喚起を行った。
円安を背景に日本を訪れる外国人観光客が爆発的に増えている今、日本のルールや文化への配慮を欠いた行動によるトラブルは後を絶たない。そこで今回は、20~40代の男女100人に「インバウンド観光客に“やめてほしい”こと」について聞いてみた。(自社リサーチ)
第10位(4.0%)には、路上飲酒・喫煙、行列への割り込みが同率でランクイン。
路上飲酒・喫煙は、欧米諸国と比べて日本では“比較的寛容”“どこでも飲んで吸っていい”と外国人観光客が誤認しているところがある。
日本の厳しい路上禁煙エリアや自治体ごとの複雑なルールが十分に周知されていないことが原因で、トラブルを深刻化させている要因となっている。渋谷区では、渋谷駅周辺の夜間路上飲酒を対象とした規制が強化され、2024年10月から通年での全面禁止に踏み切るなど、各自治体による対策の動きが活発化している。
「治安が悪くなる」(36歳/男性/会社員)
「観光客に限らずマナー違反」(40歳/男性/会社員)
「街が汚れる」(49歳/男性)
「交通の邪魔になる」(34歳/女性/会社員)
日本では当たり前の行列だが、海外では行列に並ぶという習慣がないことも。日本国内での行列への割り込みは、深刻化する観光マナー問題の一つ。
日本では順番を厳格に守るのが共通認識だが、海外では“列に少しでもスペースがあれば詰めて(入って)よい”という文化圏も少なくない。そうした意識の違いから、人気飲食店やチケット売り場で列を無視して割り込み、トラブルになることもある。
「非常識だと思う」(29歳/男性/医師・医療関係者)
「とても迷惑」(39歳/男性/自営業)
「自分が割り込みされたら嫌」(32歳/男性/会社員)
第9位(5.0%)は、交通ルール違反。
特に観光地でが“SNS映えする写真を撮りたい”などの過度な欲求のため、現地の安全規則やモラルを軽視し、交通ルール違反につながることもある。
昨年2月、富士山の絶景スポットとして有名な山梨県富士吉田市内の「本町二丁目交差点」で、外国人観光客とみられる大勢の人々が横断歩道上で記念撮影などを行い、車の通行を妨げた動画がSNSに投稿され、非難が殺到した。
「命に関わる」(38歳/女性)
「車を運転していて怖い」(47歳/男性/会社員)
「信号無視などをよく見かける」(39歳/女性/会社員)
「危なすぎるからやめてほしい」(44歳/男性/会社員)
第6位(7.0%)は、電車などでのマナー、お店などでのマナー、トイレマナー。
電車などで巨大なスーツケースを持ったまま乗車してきたり、導線の占拠をしてしまっている観光客は多い。これが、日常的に利用する日本人との間でストレスを生む原因になっている。
また日本では“車内は静かにする”という強い共通認識がある一方、海外の多くの国では公共交通機関は車内での会話や飲食が日常的な文化圏というとkろも少なくない。
2024年には外国人とみられるグループが富士急行線の車内で激しいダンスを踊ったり、通路を滑ったり、手すりで懸垂をしたりする動画がSNSで公開され、批判が殺到した。これに富士山麓電気鉄道は「本件迷惑行為及び本件動画について、所管警察署に通報いたしました。弊社としては、さらに法的な措置を講じることを検討しています」など声明を発表、厳正な姿勢を示した。
「荷物の置き方や座り方など、周囲への配慮がない」(34歳/女性)
「大きなスーツケースを持った邪魔な人がいる」(46歳/男性/自由業)
「ゆっくりできない」(48歳/男性/医師・医療関係者)
「いちばん目にする機会が多い。電車内で大声で話したり、通路をふさぐようなスーツケースの置き方をしたり、とにかく不愉快」(47歳/女性/主婦)
日本ではお店などで大声で話すことは迷惑だと感じられる、海外からの観光客は“お通し”をはじめとする日本独特の飲食ルールを事前に知らないため、こうしたことも思わぬトラブルに直結する。
最近深刻な問題となっているのが、無断キャンセル。今年4月に石川県金沢市にある日本料理店が同店のSNSで、「本日20時に来店予定だった海外からのお客様が、22時になっても来店されませんでした。キャンセルの連絡もありませんでした。これは、アメリカを含む世界中のお店では普通のことなのでしょうか?」と、コース料理の無断キャンセル被害を明かして大きな反響を呼んだ。
「その行為によって不快な気分になる人が多い」(48歳/女性/会社員)
「TPOを考えてほしい」(48歳/男性/会社員)
「マナーの悪い客が多いと感じる」(46歳/女性/パート・アルバイト)
「静けさがウリの料理屋で、大声で騒いでいたら興ざめする」(39歳/男性/会社員)
トイレマナーについては、海外の下水事情に起因する習慣から使用済みの紙を便器に流さずゴミ箱に捨てることや、洋式便器に土足で上がってしまう文化の違いによるものが挙げられる。
多くの外国人観光客が訪れる京都では無断利用や度重なる汚損に耐えかね、トイレの貸出を中止するコンビニが増えており、深刻な社会問題となっている。
「汚してもそのままだから」(24歳/男性/会社員)
「便座に足跡がついていたことがある」(43歳/女性)
「使った後が汚かった」(47歳/女性/パート・アルバイト)
「使えなくなると困る」(46歳/女性/会社員)