■国内ドラマファンは相手にしていない?

 ほぼどころか、脚本、演出、撮影、編集、劇伴と全て韓国ドラママナーで作られているが、X上では、《少しずつお互いのことを知っていく過程を観てるだけで楽しい。第2話から本格的に2人の会話劇が沢山観れて、本当にテンポ良く会話が進んでいくし、1時間があっという間だから早く続きが観たくなる》など、熱い称賛の声が多い。

 土地の所有問題で揉めた夏凛(今田)とユビン(チャンウク)が、干潟で押し合いしただけで距離が縮まるとか、確かに展開は安易ではある。しかし、そんなところにツッコんでいたら、韓ドラの面白さは理解できない。2人のキュンシーンもふんだんに盛り込まれていて、韓ドラファン、チ・チャンウクファンなら満足なのだろう。

 ただ、そのぶん国内のドラマファンは楽しめていないようで、《韓国色強めで余計な演出多くて見づらい》《どのキャラも共感出来ない》などと批判の声も多い。昨今の国内ドラマはリアリティ重視の流れがあり、言葉が通じないはずなのに、なんとなく意思疎通できていたりとか、細かいところの粗が気になってしまうのだろう。

 それもあってか、3%台の視聴率とともに、配信サービス・TVerのお気に入り登録数も50万台と良くない。しかし、定額制動画配信サービスのディズニープラスを見てみると、テレビショー部門ワールドランキングで最高2位、世界73か国および地域でトップ10入りと絶好調。有料の配信ドラマを見慣れている層には受けているのだ。

 有名どころが今田美桜だけという日本人キャストの薄さを見ても、制作側が国内のドラマファンにアピールするつもりがないのは明白。視聴率が低くても、海外狙いのグローバル興行作という点では成功なのだろう。次回は夏凛とユビンの同居生活が始まるので、ますますキュンシーンが増えそうだ。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。