石橋静河が主演を務め、明治から昭和の時代を駆け抜けた作家・宇野千代さんをモデルとしたヒロインを描くNHK連続テレビ小説『ブラッサム』が好評放送中だ。
同ドラマ序盤で、視聴者の話題をかっさらったのが渡部篤郎演じるヒロインの父・清治。実家の酒造を継がず、弟から毎月の給金をせしめては働かずに生活し、近所からもクズと揶揄されており、家庭内では絶対的君主として家族を支配する強烈なキャラでSNSでも大きな反響を呼んだ。
清治のように物語に強烈なアクセントを加える“クズキャラ”は、朝ドラのでは名物のような存在となっている。そこで今回は、30~60代の女性100人に「朝ドラ歴代最高クズキャラ」について聞いてみた。(自社リサーチ)
第9位(3.0%)には、『らんまん』要潤(田邊彰久)、『風、薫る』三浦貴大(奥田亀吉)が同率でランクイン。
神木隆之介が主演、槙野万太郎を演じた『らんまん』(2023年度前期放送)で、要潤が演じたのが主人公・万太郎が通う東京大学植物学教室の教授である田邊彰久。
高知県出身の植物学者・牧野富太郎をモデルにし、明治維新から大正・昭和の時代を背景に、草花に魅せられた万太郎が生涯をかけて植物学に情熱を注いでいく姿を描いたストーリーで、田邊は万太郎に日本の最先端の植物学を学ぶチャンスを与えるも、万太郎の圧倒的な才能や新種発見の実績に激しく嫉妬。
万太郎を自分の手中に収めて支配しようと画策したり、植物学教室への出入り禁止を言い渡したりと、万太郎を追い詰める冷酷さを持ちつつ、複雑な愛憎が入り混じった主人公の大きな壁として描かれた。
「嫌な奴というキャラが立っていた」(53歳/女性/会社員)
「要潤さんの演技が上手で、ヒール役だが嫌いになれないよさがあった」(51歳/女性/主婦)
「クズキャラのおかげで主人公がよりよく見えた」(65歳/女性/パート・アルバイト)
見上愛、上坂樹里主演の『風、薫る』(2026年度前期放送)で、一ノ瀬りん(見上)の夫(後の元夫)奥田亀吉を三浦貴大が演じた。
明治時代を舞台に、栃木の元家老の家に生まれ若くしてシングルマザーとなった一ノ瀬りん(見上)と、身寄りがなく教会で育った大家直美(上坂)の2人が看護の世界に飛び込み、一人前のナースとして、最強のバディとして激動の時代を生き抜いていく姿を描いたストーリーで、亀吉はすさまじい男尊女卑の塊であり、妻のりんに辛く当たり、家庭を顧みず、酒に溺れては家の中で暴れ回るなど、典型的なモラハラ気質を抱えた人物だった。
そんな亀吉のひどい仕打ちに耐えかねたりんは、娘を連れて逃亡。これが、りんが自立して看護婦という道を切りひらくターニングポイントとなった。
「この旦那様がいることでドラマが面白くなった」(54歳/女性/主婦)
「良いところがなくて本当にクズだった」(52歳/女性/主婦)
「わかりやすいクズキャラで面白かった」(60歳/女性/経営者・役員)
第7位(4.0%)は、『半分、青い。』中村倫也(朝井正人)、『カムカムエヴリバディ』濱田岳(橘算太)。
永野芽郁主演『半分、青い。』(2018年度上半期放送)で中村倫也は、ヒロイン・楡野鈴愛(永野)の幼なじみ・萩尾律(佐藤健)の大学の同級生で、律が暮らすアパートの隣人、後にヒロインが惹かれる“沼男”朝井正人を演じた。
岐阜と東京を舞台に、幼い頃に病気で左耳の聴力を失ったヒロインが、少女漫画家を目指して上京するも挫折、その後、結婚、出産、離婚、そしてある発明をするまで、七転び八起きで前を向いて生きる姿を描いたストーリーだったが、朝井は東京編から登場。
独特のゆるい空気感と絶妙な距離感で女性の懐に入り込む天性の人たらしというキャラクターで、ヒロインの鈴愛とデートを重ねたにもかかわらず、鈴愛がその気にさせられて想いを告げると「そういうつもりじゃなかった」と一蹴した。それまで思わせぶりな行動をしておきながら、突然姿を消すように引っ越してしまうという冷徹なフェードアウトをし、ヒロインだけでなく視聴者をもザワつかせた。
「罪な沼系男子だった」(52歳/女性/公務員)
「ミステリアスで主人公を惑わせたり、話が盛り上がったと思う」(54歳/女性/主婦)
「何となく惹かれるキャラだと思った」(56歳/女性/会社員)
上白石萌音、深津絵里、川栄李奈主演『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期放送)で、濱田岳は初代ヒロイン・橘安子(上白石萌音)の兄、橘算太を演じた。
大正末期のラジオ放送開始からスタートし、ラジオ英語講座とともに歩んだ3人のヒロインによる親子三代100年のファミリーストーリーで、激動の昭和、平成、令和を舞台に岡山、大阪、京都を巡りながら、それぞれのヒロインが恋や仕事、結婚を通して自分らしい生き方を見つけていく姿を描いた画期的な朝ドラだった。
濱田演じる算太は、家業の和菓子職人の修業には全く身が入らず、ダンサーになる夢を追いかけて放蕩を繰り返す不真面目な男。戦後、実家の和菓子屋を再建するための大切な資金である安子(上白石)の貯金通帳と印鑑を全て持ち逃げして失踪。これが引き金となり、安子は追い詰められ、愛娘・るい(深津)との決定的な離別へとつながった。
「小悪党ぶりが記憶に残っている」(53歳/女性/会社員)
「ヒロインに同情した」(40歳/女性/会社員)
「憎めないところもあり、視聴者をひきつけた役」(64歳/女性/主婦)