「ゲームばかりしていないで勉強しなさい!」

 かつては当たり前だった親の小言も、今や事情が変わりつつある。

「ゲームを使い、技術や判断力、戦略を競い合うeスポーツは、もはや単なる遊びの延長ではありません。国内の競技人口は推計419万人、試合観戦や配信を楽しむファンは967万人に達し、2026年には1500万人近くまで増えると予測されています」(ゲーム雑誌ライター)

 トップ選手は勝つために生活まで管理し、そこで培った能力を評価しようという企業も現れ始めているという。

 そんな時代を象徴する選手が現れた。

「9月26日、愛知・名古屋アジア大会のeスポーツ『ぷよぷよ』で、東京ヴェルディ所属の小学5年生・栗原悠輝選手が金メダルを獲得しました。11歳での金メダルはアジア大会史上最年少。しかも相手は同世代ではなく、各国を代表するトップ選手ですから、とんでもない快挙です」(前同)

 栗原選手は6歳で『ぷよぷよテトリス2』に出会い、小学1年から本格的に競技を開始。学校や塾と両立しながら腕を磨き、大人のトップ選手を次々と撃破。2026年には小学生初の公認プロとなった。

「ここ2〜3年、『ぷよぷよ』では小学生がトッププロを倒すケースが増えていました。悠輝君はその中でも本当に圧倒的。次元が違う選手だと思います」

 こう話すのは、eスポーツコミュニケーションズ取締役会長の筧誠一郎氏だ。

 では、ゲームも本当に“スポーツ”なのか。

「プロチームにはコーチやアナリストがいて、戦術を練ります。食事や睡眠、メンタル、身体のケアまで含めて初めて一流。やっていることは、フィジカルスポーツのアスリートとほとんど変わりません」(前同)

 プロの世界を覗けば、家で気ままにコントローラーを握る姿とはほど遠い。さらに海外では、その“鍛え方”まで科学の対象になっているという。

「どのぐらい練習したら休憩を取るべきか、睡眠をどう取るべきか、いつ身体を動かしたほうがいいかといった研究も進んでいます」(同)

 だが、努力した者が誰でもスターになれるほど甘くはない。

「野球で甲子園に出た選手が全員プロになれるわけではないのと同じです。eスポーツもプロチームに入れば終わりではありません。チーム内でレギュラー争いがあり、試合に出ても結果を残さなければ生き残れない」(同)