誕生から25年。移動の顔として定着したあのキャラクターが、“卒業”まで半年を切った。
「JR東日本は、2027年3月31日をもってSuicaのペンギンを卒業させます。ペンギンが描かれた現行のSuicaカードも、在庫がなくなり次第、販売を終了。その後は、キャラクターのいない無地のカードに切り替わる予定です」(全国紙社会部記者)
Suicaの顔は2027年4月1日に新たなイメージキャラクターに交代する予定だ。
そのペンギンの卒業をめぐっては、一企業のキャラクターとしては異例の盛り上がりを見せている。
「10月1日から全30か所を巡るデジタルスタンプラリーがスタート。東京駅では10月21日まで『SuicaのペンギンフェアFINAL』が開催され、新作10商品を含む24商品が並びました。このほかにも、限定グッズやポイントが当たるキャンペーンも始まっています」(前同)
JR東日本は、ペンギン卒業の理由として、Suicaを従来の「移動と少額決済のデバイス」から、日々の暮らし全体を支える「生活のデバイス」へ進化させるためだと説明しているが、それでもSuicaと言えばペンギンのイメージは根強い。その人気は凄まじく、卒業撤回を求めるオンライン署名が2万6000人超も集まったほどだ。
これほどの人気者なら、企業にとっても大きな“資産”のはず──。それなのに、なぜJR東日本はその資産を手放すのか。キャラクタービジネスに詳しいキャラクター・データバンク社長の陸川和男氏は、企業戦略としては珍しいことではないと話す。
「企業キャラクターは、あくまでサービスの訴求やブランディングのためのもの。商品化のために作られたキャラクターとは分けて考えないといけません。例えば『ドコモダケ』は、ドコモのサービスを訴求するために作られたキャラクターでした。そのサービスがある程度浸透したら使われなくなり、また最近になって復活しています。サービスの転換に合わせてキャラクターを変えることは、企業論理としてはそれほど珍しくありません」
ただ、Suicaのペンギンは、一企業のキャラクターの域を超えているのは前述の通りだ。
「Suicaのペンギンは、あまりに浸透して人気があり、ファンもたくさんいる。一般的な企業キャラクターとは少し違う立ち位置になっています。撤回を求める声まで出るのは、異例中の異例でしょうね。ここまでの反響は、JR東日本にとっても予想外だった可能性があります」(前同)