現役時代は阪神タイガースで2度のリーグ制覇、引退後は阪神や日本代表で指導者を務めてきた矢野燿大が“マスク越しの視点”から現在の球界を徹底解説。ここでしか聞けないレジェンドOBの“生の声”を本サイト編集部がお届けする。

 タイガースの今季が終わりました。リーグ戦は見事に連覇を果たしたチームでしたが、DeNAを甲子園に迎えたクライマックスシリーズ(以下・CS)では4連敗。日本一への道は閉ざされました。

 敗因を挙げるなら、打線が打てなかった。この点が大きいかなと思います。今季のチームが優勝を決めたのは10月3日。DeNAとのCSまで、シーズンでの消化試合はわずか4試合でした。1年に及ぶ優勝争いの重圧から解放されたとなると、選手も監督も当然ひと息つきたいところ。ビールかけが終わったそばから、再度調整をして、CSに照準を合わせるのに4試合では、想像するより難しい部分もあるかと思います。

 逆にポストシーズンのDeNAは無傷の6連勝。優勝チームに2勝のアドバンテージを献上するのを阻止すべく、シーズンの最後まで勝率5割を目指して戦ったからか、選手の試合勘はバッチリでした。特に目立っていたのが6月に戦線復帰を果たした牧秀悟。CSでも6試合で4本塁打と大暴れ。シーズンを振り返っても牧が復帰してからは、DeNA打線も好調でしたね。CSでも1番の度会陸輝から5番のエンカーナシオンまで打順を固定。打線が機能していた印象です。