■好影響を与える代表コーチ陣
2026年W杯のメンバーに39歳の長友佑都選手を入れ、中村俊輔さんをコーチに呼んだのも、そういった気持ちの表れではないでしょうか。彼ら2人を筆頭に、名波浩・長谷部誠両コーチらスタッフは「日の丸を背負う意味」をよく分かっている。本当に力強い存在でした。
このうち長友選手はW杯本番での出場機会は少なかったですが、「自分は空気清浄機になれる」と発言したように、チームの雰囲気をガラリと変えられる非常に貴重な存在でした。
2002年日韓W杯を思い返しても、当時ベテランだった中山さんや秋田豊さん、森島寛晃さんがベンチにいて、若手やケガをした森岡隆三さんを支えたという話はよく知られています。気配りのできる人材は勝つために必要なんです。
ドーハのときも都並さんがみんなに献身的にアドバイスをして、モチベーションが下がらないように雰囲気を作り、場を盛り上げる工夫を凝らしていました。長友選手も同じ役割を担えるはず。森保監督はオフト監督から学んだチーム作りを今に生かしていると感慨深く感じます。
前述した中村俊輔さんは本当に心強い存在です。彼は特別なテクニックと才能を持つ選手でした。2010年南アフリカW杯ではベテランの一人としてサポートに回った経験もあります。代表としてさまざまな経験をしたレジェンドが近くにいてくれれば、メンタル的に心強く、技術的にもいい影響を与えるはず。森保監督はチーム全体に気を配っているんだなと感心させられます。
日の丸を背負ったレジェンドを結集させたのは、本気で日本代表を強くしたいという気持ちの表れ。オフト監督が残したものが今に引き継がれているのを感じ、胸が熱くなります。
ラモス瑠偉(らもす・るい)
1957年2月9日生まれ。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ出身。77年に来日し、読売サッカークラブ(東京ヴェルディの前身)でプレー。攻撃の核として5度の日本リーグ優勝に貢献し、得点王を2回、アシスト王を3回獲得した。93年にスタートしたJリーグでもヴェルディ川崎の中心選手として活躍。チームを初代王者、さらに連覇に導くとともに、自身は2年連続でベストイレブンに選出されるなど、Jリーグの草創期を支えた。89年に日本に帰化して日本代表でもプレー。司令塔としてアジアカップ初優勝をもたらし、94年W杯予選でもチームをけん引したが、あと一歩というところで本大会の出場権を逃した。98年に現役引退。指導者としては古巣の東京VとFC岐阜で指揮を執り、ビーチサッカー日本代表の監督としてW杯で世界を凌駕する活躍を見せた。国際Aマッチ通算32試合1得点。2018年、日本サッカー殿堂入り。
ラモス瑠偉公式サイト:http://www.ramos.jp/
(本連載取材協力:KAKU SPORTS OFFICE)