日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、いま話題の生成AIを使った遊びについてです。

「老害おじさん図鑑」という言葉が、Xを中心に広がっています。ChatGPTなどの生成AIに「〇〇の老害おじさん図鑑を作って」と指示すると、特定の趣味や業界にいそうな人物をいくつかのタイプに分類し、特徴や口癖などを図鑑風にまとめてくれる遊びで、音楽やカメラ、IT、ウイスキー、バイク、日本酒など、さまざまな分野に派生しています。

 目を引くのが、細かな人物描写です。昔から使っている道具を愛用し続ける、新しい方法にはまず疑問を呈する、特定のメーカーや製品を強く推す――。趣味の世界で見かける傾向をAIがタイプ別に整理し、「よく言うセリフ」まで加えることで、図鑑らしい内容に仕上がります。

 実際の投稿を見ると、音楽なら「昔のシカゴ以外はハウスじゃない」、カメラなら「フィルムで撮ってこそ写真だろ」、ITなら「やっぱりVimが最強」といったセリフも登場。それぞれのジャンルで長く親しまれてきたスタイルや道具への強い愛着を表したもので、同じ趣味を持つ人ほど、身に覚えのある部分が見つかりやすいのではないでしょうか。

 SNSでは、《自分が該当しそうで怖い》《こういう人、いるいる》《愛があるから笑える》といった反応が見られます。なかには、自分自身にぴったりの項目を見つけて楽しむ人も。特定の人物を指すのではなく、趣味や業界にありがちな傾向を題材にしているため、自身の経験と照らし合わせながら読める点も広がった理由のひとつでしょう。