■条件を足せば“自分好み”の図鑑に
作成方法が簡単なのもポイントです。ChatGPTに「IT業界の老害おじさん図鑑を作ってください」と入力し、「6タイプに分類して、それぞれにタイプ名・特徴・あるある行動・よく言うセリフを付けて」と条件を加えるだけ。画像生成に対応したAIなら、人物のイラストを添えることもできます。
「この流行で興味深いのは、AIが新しい人物像を生み出したというより、趣味や仕事の世界で共有されている“あるある”を整理して見せたところ。カメラなら機材、音楽なら昔の作品、ITなら使い慣れたソフトなど、長く続けている人には、それぞれ独自のこだわりがあります。それをAIにまとめさせることで、普段は意識していない傾向まで言葉になり、『自分の周りにも似た人がいる』という反応につながる。ただし、すべての人に当てはまるわけではありません。実在する個人を連想させる内容や、年齢だけで人物を決めつけるような使い方には注意が必要です。『老害』という言葉には否定的な意味合いもあるため、投稿する際には相手や場所への配慮も欠かせません」(エンタメ誌編集者)
一方で、この流行をきっかけに生成AIを試してみる人もいるようです。「生息地」「遭遇率」「天敵」などの項目を加えれば、自分の好きな分野に合わせた図鑑を作ることも可能。入力する条件を工夫するほど内容が変わるため、AIとのやり取りそのものを楽しめるのも魅力です。
自分では普通だと思っていたこだわりが、図鑑の一項目になっている――。笑っているうちに思い当たる節が見つかるのも、この流行のおもしろさなのかもしれません。
戸田蒼(とだ・あおい)
トレンド現象ウォッチャー。大手出版社でエンタメ誌やwebメディアの編集長を経てフリー。雑誌&webライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。