日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。10月29日の交流重賞JpnIIIではスマートポーションに、10月31日のGIIIファンタジーSではシグレ、京都6Rではスターシーカーに、11月1日の京都1R未勝利戦ではルージュミスティカに、11月3日の交流重賞JpnIJBCレディスクラシックではメモリアカフェに、11月7日の京都5Rの新馬戦では牝馬のエルヴォヤージュに、翌8日の京都5Rでは、トレヴァンクールに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年10月26日に寄稿されたものです)
10月17日の競馬は、東京の2R2歳未勝利戦(芝2000メートル)からスタート。
このレースでコンビを組んだのは、モーリス産駒のガヤーズアモーレ。競馬学校5期生、僕の2年後輩となる“カッチー”田中勝春厩舎の新星です。
3着に終わった新馬戦でも、成長すれば走る馬になるなという確かな手応えを感じていましたが、この日はその片鱗を見せるような走りで、記念すべき1勝目を挙げてくれました。
クラスが上がるごとに相手関係も強くなっていきますが、この馬自身も、さらに成長を遂げていくはずで、来年が楽しみな1頭です。
10月18日は京都に舞台を移し、牝馬三冠、最後の一冠、GI秋華賞(芝2000メートル)。僕のパートナーは、競馬学校同期のエビちゃん、蛯名正義調教師が管理するマスターソアラです。
キャリア3戦の彼女とコンビを組むのはこれが初めて。追い切りにもまたがっていませんが、そこは3年間、競馬学校で同じ釜の飯を食べ、現役時代はライバルとして切磋琢磨してきたエビちゃんのところの馬ですから、あうんの呼吸があります(笑)。
レースは2枠3番からスタート。テンションが高く、やや出負けしてしまいましたが、終始、内を進んだ道中は、スムーズに運べたような気がします。
最後の100メートルあたりで力尽き、結果は8着。今日のところは力負けです。でも、これが初めてのGI挑戦だったマスターソアラにとっては、これが最初の一歩、ここからがスタートです。