■2作品ともグローバルを強く意識
『メリーベリーラブ』に関しては、監督や脚本など多くのスタッフが韓国サイドで固められていることも指摘されている。
「日テレは2023年6月から『スタジオセンター戦略班』という、地上波に留まらず、グローバル展開も視野に入れたコンテンツの企画開発制作を担う部署が新設されていて、『メリーベリーラブ』はその部署が主導で企画した作品と言われています。そのため、最初からグローバルな方向を意識して作られた、というところはありそうです。
『kiDnap GAME』も、世界に通用する作品を目指して制作されたことが明らかとなっていますが、裏を返せば国内よりも海外ウケを意識している、とも言えそうです」(前出の民放キー局関係者)
『kiDnap GAME』は、フジテレビの連ドラでは初となる海外共同制作作品。プロデューサーの加藤裕将氏は韓国の『イカゲーム』(Netflix)のような世界的ヒット作を生み出したいという思いがあると明かしているほか、「アジアだけでなく欧米にも通用するようなルック(映像の質)を目指している」としている。
そんな“外向き戦略”が共通している『メリーベリーラブ』と『kiDnap GAME』には、
《どこの国のドラマや??そういうのが好きな人にはそういうのがあるだろ。日本のドラマで押し付け止めてくれ。#メリーベリーラブ》
《過去ハマった事のある私の好きな韓国ドラマは話数がめちゃくちゃあるので心情の描き方がとことん丁寧なところが良さだったのに、話数が少ないからなのか飛ばし過ぎてて描き切れず一体いつ好きになる要素あったのか?と置いてけぼりになる感。。。》
《韓ドラを日本のドラマに凝縮してる風やから展開早すぎて あの件はもういいん?!え、もう好きなん?!ってなってる そのせいで若干チープに見えるけどチチャンウク見るたびに韓ドラのテンションで見れるしか今田美桜ちゃん見るたびに可愛すぎて雑念吹っ飛ぶ》
《話の半分は海外なので、堺雅人クラスの人がいないとつらい。 海外ドラマ見てるのと、あまり変わらなくなっちゃう # kiDnap GAME》
《kiDnap GAME、俺は好きだけどな。地上波向きではないか家事しながら多国言語むずいし》
《登場人物の背景が薄いし吹き替えだしで見てても全くドキドキもハラハラもしない。日本国内同時誘拐で日本各地でロケした方が良かったんじゃないの?その方がまだ感情移入しやすかったと思う》
といった、良い悪いは別として“日本の地上波ドラマ”とはノリが違うことを指摘する声が多く寄せられている。
ドラマライター・ヤマカワ氏は『メリーベリーラブ』と『kiDnap GAME』の長所と短所を、こう分析する。
「まず『メリーベリーラブ』は、脚本、演出、劇伴(ドラマで流れる音楽)など、韓ドララブコメに振り切っている挑戦的な作りを評価したいです。これだけあからさまだと、好き嫌いがハッキリ分かれるので、地上波の視聴率が低いのはしょうがない。相手が日本語圏の俳優でない分、今田さんお得意のテンションの高い会話劇が見られないのは残念ですね。
かたや『kiDnap GAME』は映画的かつ重厚な画作りがカッコいい。ただ、アジア各国に舞台を分散させていることで、物語が散漫な印象になっていますね。そのせいでスピード感に欠けてしまっています」
海外では好調な一方、日本の地上波では苦戦している2作品。「チャレンジが評価されているが視聴率が低すぎて日テレ内がざわついている」(芸能プロ関係者)という『メリーベリーラブ』と、「清水賢治社長の肝入り作品だそう」(前同)という『kiDnap GAME』。今田は持ち前の明るさと豊かな表情で作品を彩り、坂口もシリアスな役柄で存在感を発揮している。両俳優の好演も光るだけに、今後、両作品の地上波での巻き返しはあるのだろうか――。
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。