■明らかに意図的な「金」の描写

 また、SNS上では《人の死と保険金が積み重なって、どうしてもその金額が死の理由と思わせる導きになってもいるんだけど、あれは多分「疑え」のポイントなんだろうなと思ってる》《道警は初動捜査のミスなのか何なのか、重要な何かを隠蔽しているように見える。それは体質によるものなのか?》などと多くの考察の声が。

 深まる謎に考察も盛り上がってきた。まとめると「遭難事故は複数人で仕込まれたもの?」「二階堂の保険金と登山者の保険金は別に考えたほうがいい?」「警察はなにかを隠そうとしている?」「田畠が二階堂照之をツガルと呼んでいたが、ツガルは江戸時代の阿片の隠語?」といったところだろうか。

 とはいえ、前回の田畠(飯豊)のマンション屋上からの飛び降り、今回の門伝(兵頭)の意外な場所での登場など、毎回、新たな謎があらわれるので考察はなかなか難しい。その中でヒントになりそうなのが「金」というキーワードだろう。

 メインキャラの直(小栗)は保険金にしか関心がなく、「カネほど人間の本質が分かるものはないよ」という印象的な言葉を残している。ハルネはやたら札束をかき集め、今回も香典を数えていた。また、田畠の娘・乃々(木内天奏/8)も「1人で生きていくのにいくらかかりますか?」と直に聞くなど、「金」の出てくる描写がやたらに多い。

 ドラマで起こる殺人事件は怨恨がらみの場合が多いが、『LOST10』は「金」がすべての鍵になっているのではないだろうか? この観点から見ると、ドラマがより楽しめるような気がする。次回は、娘の治療費支払いに不審な点が見つかるなど、田畠の秘密が明かされ、さらに謎が深まりそうで目が離せない。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。