■後半になれば雰囲気が変わるか?
救いの見えない内容に、X上では《3人の気持ちが理解出来るから辛い…修司が絵里を怒鳴るシーン迫力に息を飲んでしまった》《おっっっも。医者が個人的に患者宅訪問とか、非現実的だなぁ〜と思いながらなんとか見終わった》《全体的に雰囲気暗いなあ。そもそもタイトルで損してる》などと、暗い、苦しいの声が多い。
恋愛とミステリーのバランスも悪くないし、演者も悪くない。ただ、なにも序盤からここまでドロドロにしなくてもいいんじゃないかな、と思うほどの希望のなさはある。毒親、クズ兄、依存する妹、境界線のない医師、責任感が強すぎる青年による悲劇が、きれいに構築されていることもあって、より逃げ場のなさを感じるのだろうが……。
また、見ていてまどろっこしく感じるところもある。それぞれのキャラが若干、暴走気味で、見ながら「なんで?」「こうすればいいのに」と思ってしまうのだ。誰か客観的に動くキャラがいれば、風通しが良くなったかもしれない。最初は看護師長・木村優子(富田靖子/57)がその役目と思ったのだが、残念ながら序盤では機能していなかった。
本作は、奈緒と修司の出会いと別れを描く“地方編”と、3年後に偶然再会した2人が、封印してきた疑惑と愛に翻弄されていく“東京編“の2部構成。この流れで木村がただの看護師長で終わるとは思えないし、奈緒の医大時代の同級生・斎藤(戸塚純貴/34)もいる。2人が赤楚と榮倉に絡んでくると、トーンがだいぶ変わるかもしれない。
次回は特別番組のため本作は放送休止となり、歯がゆい状態が続くが、中盤以降に期待したい。11月14日放送の第4話は、絵里(宮崎)の腫瘍が肺に転移していることが判明して治験が打ち切りに。亮介(木村)は放火犯として警察に捜査されるという、それぞれの“兄妹”が悲劇を迎えるようだ。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。