秋ドラマはそれぞれ序盤を終えたところだが、後半戦に向けて盛り上がりを見せるどころか、早くも視聴者離れを起こしてしまっている2作がある。その理由を分析してみよう。

 まず、原菜乃華(23)主演の『もうパパ!』(ABCテレビ制作、テレビ朝日系/日曜よる10時15分~)。家族系動画を配信している、父・多良山良詫(りょうた、堤真一/62)と娘・紀子(きこ、原)の姿を通して、令和のSNS社会の光と影を映し出し、親子のリアルな人生の衝突と再生を描くヒューマンファミリードラマだ。

 平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は世帯で初回から第5話まで、3.0%、2.7%、2.6%、2.9%、2.7%と危険水域に撃沈。配信サービス・TVerのお気に入り登録数も37.3万(11月5日午後3時現在)と深夜ドラマレベルの数字。さらに第5話放送後、登録数が減り始めるという危機状態だ。

 視聴者離れの理由は、タイトルと内容の大きな差だろう。最旬の若手で、GP帯ドラマの初主演となる原菜乃華を起用。娘を溺愛する父とのドタバタコメディかと思いきや、配信者一家という特殊な環境で、毒親からの自立を目指してもがく娘の物語だった。「これじゃない」と感じた視聴者も多いはずだ。

 特にきついのは、堤真一が演じる父・良詫。歪んだ承認欲求によるコンプレックスや、自身の父も毒親で、その父子関係をそのまま娘に押し付けるさまは、もはやホラー。最近話題の家族系ユーチューバーの問題も取り込みたかったのかもしれないが、描き方がエグすぎて冷静に見ることが出来ない。

 その解毒剤のように、紀子(原)と初恋の相手・吉良陽日(岩瀬洋志/22)のキラキラシーンを入れているが、それも霞んでしまうほど。こんなことなら、ファミリーコメディ風な作りをやめて、映画『シャイニング』のようなスティーブン・キングばりのホラードラマにしたほうが良かったかもしれない。