■『kiDnap GAME』が散漫なわけ

 続いて、坂口健太郎(35)の『kiDnap GAME(キッドナップゲーム)』(フジテレビ系/(火曜よる9時~)は、東京、ソウル、台北、シンガポール、バンコク、那覇、マニラで同時多発誘拐事件が発生するところから始まる物語。「kiDnap GAME」とは、被害者の家族の7人が出場者となるサバイバルゲームのこと。

 平均世帯視聴率は世帯で初回から第5話まで、4.7%、4.3%、3.1%、3.5%、3.0%と低調続き。配信サービス・TVerのお気に入り登録数は一時は52.5万(10月29日当時)まで伸ばしていたが、こちらも第4話の放送後からジリジリと登録数を減らしていて、地上波、配信ともに視聴者離れを起こしている。

 世界的なヒットを狙い、アジアを中心としたグローバルな設定にしたのだろうが、アジア7都市にわたる舞台も登場人物も、多岐にわたりすぎの印象。配信ドラマと違い、CMが入る地上波ドラマの放送時間内では、キャラの背景説明がどうしても足りず、散漫な物語になってしまった。

 また、ヒット作となった『イカゲーム』や『今際の国のアリス』(ともにNetflix)のようなゲーム感覚にも欠け、ひたすらにダークな雰囲気のまま物語が進んでいくため、見ていてワクワク感がない。海外プロダクションとの共同制作で、力の入った作品なのはわかるのだが、どうにも視聴者が置いてけぼりになった感が否めない。

 しかし、国内での評価は低いものの、韓国の「ディズニープラス」やアジア圏のコンテンツを配信する「Viu(ビュー)」などで上位に入っており、海外の配信は好調のようだ。今後も約80の国と地域での放送・配信する予定と、巨額の制作費が投じられてようだが、これでもとは取れるのかもしれない。

(ドラマライター/ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。