■豪華キャストが仇に

 放送開始当初から、集団でタイムスリップしてサバイバル状況に投げ出されるという設定が、『ロング・ラブレター〜漂流教室〜』(フジテレビ系/2002年)に似ているという指摘が多かった本作。確かにベタな設定だが、登場人物それぞれのバックグラウンドや交流を丁寧に描くことで、よくあるサバイバルものになることを回避している。とても魅力的なドラマに思えるのだが、なぜふるわないのだろう?

「本作はサバイバルより、人間ドラマに重きを置いています。メインの3人だけでなく、井之脇や古川、杉本哲太(57)や松雪泰子(50)などの実力派を揃えたのも、そのためでしょう。ただ、それぞれの背景を描くのに時間がかかってしまい、元の世界に戻るという本筋がなかなか進んでいません。せっかくの豪華キャストが渋滞してしまっているんです」(ドラマライター・板橋六郎)

 実際、山田や赤楚の演技を評価する声がある一方、ツイッターには「このドラマ…登場人物多すぎて名前ホント覚えられない」という指摘があり、「にしても話の進み悪過ぎ。同じ回想やエピソードが何回も出てくるし」など、背景を描きすぎだと不満の声もあがっている。物語に説得力を持たせようと人物描写に力を入れたが、それが批判されてしまうという、皮肉な結果になってしまったのだ。

「第4話では、別の車両に乗っていて、同じくタイムスリップした6号車の乗客たちが登場し、新たな展開を予感させました。ただ、放送はすでに第5話を迎えようとしています。離れてしまった視聴者を取り戻すには、ちょっと遅かったかもしれません」(前同)

 新たに登場した6号車のキャストは萩原聖人(51)にウエンツ瑛士(37)、さらに優斗の先輩隊員として、前田公輝(32)も登場と、こちらも力が入っている。キャスト渋滞を引き起こすことなく、物語が進んでいくといいのだが……。