広瀬すず(24)が主演し、King & Prince永瀬廉(23)と初共演するドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)がスタート。田舎育ちで天真爛漫な女性が、幼なじみの婚約者を追って上京した先で音楽家を夢見る青年と出会い、お互いの夢や恋を紡ぐラブストーリーだ。脚本は、恋愛ドラマの名手である北川悦吏子氏のオリジナル作品となり、期待値も話題性も今期の冬ドラマ一番といっていいただろう。

■永瀬廉が王道ラブストーリーに初挑戦

 永瀬は、これまで演じてきたそのほとんどが硬派な役だ。テレビドラマで恋愛要素があったのは、『おかえりモネ』(NHK/2021年)で演じた、及川亮役だろう。幼なじみの同級生、百音(清原果耶/20)にほもかな恋心を長らく抱えていて、その思いを打ち明けた場所は夕陽が差し込むコインランドリーだった。

 結果的に強く否定されてしまうのだが、このときの表情たるや切なすぎて、今でも思い出すと胸を突き刺してくる。今作は“世界で一番美しいラブストーリー”とキャッチコピーがついていることから、強く感情を揺さぶるような芝居が見られるだろう。

 永瀬が演じるのは、PCで楽曲を制作するコンポーザーになるという大きな夢を持ちながら、カフェでアルバイトをする青年・海野音(うみの・おと)だ。夢を追いかける青年の心境は、永瀬自身が、デビューを夢見てジャニーズJr.として活動していた経験に重なるだろう。

 永瀬は、高校卒業後は自分の人生の選択肢を少しでも増やしておきたいという思いがあって大学に進学したと、雑誌のインタビューで語っている。CDデビューは大学2年生の時になるのだが、もしデビューが決まらないまま進級していたら、一般企業に就職している未来があったかもしれない。だから、大学卒業後に就職することを見送り、アルバイトをしながらでも夢を追いかけたいという音の強い想いに、寄り添うことができるだろう。

 また、永瀬が鼻歌を歌ったり、ボイスレコーダーにメロディーを吹き込んだりするのが聞けるのは至福だ。永瀬の歌声は、ハイトーンボイスが伸びやかで、甘くて美しい。なにげなく口ずさむ歌声も密かな見どころだ。