「遅きに失したという声もありますが、先日の『クローズアップ現代』は日本の芸能界に一石を投じたのではないでしょうか。特に当事者が顔出しで告発したことが大きいですよね」

 そう話すのは制作会社関係者。

 5月17日、NHKの報道番組『クローズアップ現代』では、ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏(享年87)による“性加害問題”を特集した「“誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題」を放送した。

 番組冒頭、進行の桑子真帆アナウンサー(35)が「なぜこの問題を報じてこなかったのか。私達の取材でもこういった声を複数いただきました」と切り出し、「海外メディアによる報道がきっかけで波紋が広がっていること、私たちは重く受け止めています」と神妙な面持ちでコメントした。

 同番組の取材班は独自取材をもとに、元所属タレントで被害に遭ったという男性の証言やこの問題を巡る背景を伝えたほか、まともに報じてこなかった“メディアの責任”にも触れた。

 1996年にジャニーズ事務所に入所した元ジャニーズJr.の二本樹顕理氏(39)は、13歳当時に性被害に遭ったと話し、時間が経った今もトラウマのような症状に苦しんでいると告白。

 これまで声を上げてこなかったことについては、被害者の声が揉み消されてきた印象があったとし、「仮に声を上げたとしてもどこにも届かなかったんじゃないか。城壁に向かって小石を投げるようなものじゃないか」と、当時の心情を明らかにしていた。

※画像は『クローズアップ現代』の公式ツイッター『@nhk_kurogen』より

「NHKの『クローズアップ現代』という影響力の大きい番組で、二本樹氏が実名・顔出しで証言したことは大きいですよね。口調も落ち着いていて、当時の被害や自身の苦しみも理路整然と語っていました。

 彼の勇気ある告発に、ジャニーズ事務所、そしてこの問題を報じてこなかった大手メディアにより怒りを覚えた視聴者も多かったのではないでしょうか」(前出の制作会社関係者)