■ライバル会社が弱すぎる?

『それパク』でも、一応は色が変わる紅茶飲料「カメレオンティー」という画期的な新商品の開発がドラマの本筋として設定されているが、毎回、知財をめぐるドタバタがメインになっていて、ほとんど描かれていない。それもあって、ドラマ全体の盛り上がりに欠けてしまっているようだ。

「また、企業ものドラマでは『下町ロケット』の帝国重工のようなライバルの存在が重要なんですが、それも弱いですね。『それパク』では田辺誠一(54)が演じる田所のハッピースマイルがそれなんですが、出てきたり出てこなかったりで印象がどうも薄い。これも盛り上がりきれない理由ですね」(前出のドラマライター板橋氏)

 企業ものとして弱いのであれば、恋愛要素を強めればいいのではないかと思うが、バディを組む藤崎と北脇の関係もなかなか進展せず。第7話でようやく北脇が気のある様子を見せたが、次回は月夜野ドリンクがピンチを迎えそうで、距離が縮まることは期待できそうにない。

 とはいえ、知財というテーマは新鮮なこともあり、視聴者からは「ドラマだと分かりやすくて勉強になる」などの声も多い。実際の自分の仕事の勉強のため、熱心に見ている視聴者も多いようだ。

 残りの話数は少ないが、ここから企業ものとして盛り上げていくことができるか、注目したい。