■神木隆之介と志尊淳の関係が急変?
ご存知のように、『らんまん』の主人公・万太郎は植物学者の牧野富太郎氏がモデルとなっている。若干のアレンジはあるだろうが、この先のストーリーは牧野氏の生涯を調べれば、ある程度の予想ができるのだ。では、実際はどうだったのだろう。
牧野氏は高知にいた頃、22歳の時に従妹の女性と結婚。しかし家のことは妻と番頭に任せ、上京して研究に没頭する。その後、東京でひと目ぼれした女性と一緒に暮らし始め、一子をもうけた。牧野氏の研究費を捻出していたこともあって、実家の酒蔵は破綻。ここで従妹の女性とは離婚し、その従妹は番頭と結婚した。
最初に結婚した従妹の女性は『らんまん』では綾(佐久間由衣/28)、番頭は竹雄で、東京でひと目ぼれした女性は寿恵子になる。この後のドラマの展開を予想すると、万太郎と寿恵子は結ばれ、竹雄は高知に戻って番頭になり、想いを寄せていた綾と結婚するのだろう。しかし、ここからが問題だ。
牧野氏の実家は、膨大な研究費を捻出したために破綻してしまう。『らんまん』の万太郎はそもそも金遣いが荒く、足りない研究費を補うため、高知の竹雄に金の無心をすると考えられる。しっかりものの綾は渋るものの、万太郎に甘い竹雄は仕送りを続けてしまうに違いない。それが原因で峰屋は破綻してしまうのではと。
峰屋の存続と万太郎への気持ちに挟まれ、苦悩する竹雄の姿が今から見えるようだ。万太郎と竹雄が再会したとき、多くの視聴者を幸せにしてくれた、2人のわちゃわちゃを見ることはできるだろうか? その可能性は低いように思われる。
やがてやってくるであろう『らんまん』の鬱展開。そのときに現在の好調を維持できるだろうか。万太郎と寿恵子という新たなカップルが、花のような明るさで暗い空気を吹き飛ばしてくれることを願おう。(ドラマライター・板橋六郎)