■梅ばあの家に火をつけたのは?

 しかし、ここで気になるのが、養護施設に行く前、梅ばあが加賀美とこころに渡したコロッケだ。これは毒入りで、梅ばあはこころを殺そうと企んでいたようだ。コロッケの袋には間違えないよう「加賀美」「こころ」と名前が書かれていたからだ。しかし狙いはハズレ、加賀美はなぜかこころのコロッケを食べて死んでしまった。

 これはアクシデントだったのだろうか? もし加賀美と梅ばあが共犯ならば、毒入りコロッケなどまわりくどいことをせず、そのまま加賀美に殺させればよかったのではないか。あるいは梅ばあと加賀美は共犯ではなく、別の理由でこころを殺そうとしていたのかもしれない。いったいなぜ?

 ひとつ、梅ばあに関して、回収されていない伏線がある。第1話で起きた、梅ばあの家の火事だ。このとき梅ばあはコンロの火をつけたまま気を失って、火事を出してしまった。そんな簡単に気を失うものか? ひょっとすると誰かに襲われ、殺されかけたのではないだろうか。その相手とは?

 梅ばあはこころを殺そうとしていた。そして伊織を襲った。そして解決していない火事の件。梅ばあは吸血鬼と対立していて、火事は吸血鬼側が仕組んだものなのかもしれない。もしそうだとすると、残る吸血鬼はこころ、伊織、弟の蓮(井上祐貴/27)、父の海造(吉田鋼太郎/64)の4人。梅ばあは伊織を襲っていたが、まさか伊織が火をつけた?

 最終回目前にして、まだまだ分かっていないことが多すぎるため、考察はこのへんが限界のようだ。ここはおとなしく、驚愕の真相が明らかになるであろう放送を楽しみに待つことにしよう。(ドラマライター・板橋六郎)