King & Prince高橋海人(24)とSixTONES森本慎太郎(25)が主演を務める『だが、情熱はある』(日本テレビ系)の6月4日放送の第9話(世帯平均視聴率=4.0%/ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、若林(高橋海人)の涙につられて泣いてしてしまった。相方の春日(戸塚純貴/30)との“ずれ漫才”を極めて『M-1グランプリ』決勝の舞台に立つまでに成長した。世間から無視され続けた苦悩と、あきらめない気持ちが実を結んで本当によかった。

■若林を演じる高橋海人の涙につられて泣く

 若林が、春日のずれたツッコミをそのまま生かすという“ずれ漫才”を思いつき、自信満々でエントリーした『M-1』は、2回戦敗退という不甲斐ない結果だった。落ち込んで心が荒む若林は、大切な人の言葉を素直に聞くことができなくなっていた。「あなたは面白いよ。大丈夫だよ」そう言われることが心底ツライのだ。

 いつも自分を応援してくれる橋本(中田青渚/23)の励ましに安心してしまう自分が許せないし、ばあちゃんの優しさに甘えている自分に嫌気がさす。その感情を、エクレアを使って表現していたのが秀逸だった。甘いエクレアは、自分を甘やかす存在。それを窓ガラスに思いっきりぶつけ、粉々にしたのは情けない自分。そして、泣きながら床に落ちたのを食べるのは、優しい言葉をくれる人たちの想いを無駄にしたくないという優しさだ。なんてむごいシーンだろう、若林のズタズタな心を見事に描いていた。

 それでも、自分を信じて続けてきたことで転機が訪れる。『M-1』の審査員でもあり、厳しいことで有名なベテラン芸人から「いいね。面白いよ」と高評価をもらえたのだ。「M-1を狙える漫才」と言われ、驚きと喜びでむせび泣きをする若林が愛しい。

 それにしても、高橋の芝居に涙が出てしまうのは、これで何度目だろうか。『姉ちゃんの恋人』(2020年/関西テレビ・フジテレビ系)では、優しい語り口のナレーションに泣けたし、『ドラゴン桜』(21年/TBS系)では、実家の問題を乗り越えての東大合格で一緒に泣いた。

未来への10カウント』(22年/テレビ朝日系)では、リングの上から愛の告白をしてフラれてしまうあっけなさと爽やかさに泣いた。そして、この若林の涙だ。高橋は、いい芝居をしている、本当にそう思う。