■中国のアイドルオタ用語「餅」の意味

 ならば、“数”はさておき、平野の中国進出という話題に対して、実際Weiboではどんな反応があったのか。

「まず、デビューの可能性については《そんなわけない》と笑い飛ばすものが目立ちました。

 また、《奇跡のビスケットちゃん》(奇跡小餅)という愛称と、女性セブンの記事にあった《ビスケットのように甘い顔立ちの平野さんを、“いつまでも味わいたい”》という由来についてもツッコミが出ています。《クソ笑った》《誰も呼んでないよ》など、ピンと来ないという声のほか、《餅の意味が完全に間違っています》という指摘もあるんです」(前出のスポーツ紙デスク)

 実は中国のアイドルファン用語に、”餅”(もち)というものがある。エンタメ誌ライターが解説する。

「オタクの間で”餅”は、自分が推すアイドルがもらう仕事のことを指します。そして”画餅”といえば、ファンが、そのアイドルに仕事をゲットしてほしいと夢見ること。要は売れてくれということ。日本でいう”絵に描いた餅”という慣用句の元になった言葉です」

 画餅だけなら理想論、非現実的といった意味合いにもなってしまうが、ある中国の平野ファンは、ツイッターで《紫耀くんはデビュー当時に言った目標がほとんど達成したから、私たち中国ファンは紫耀くんのことを“餅餅”と呼ぶようになりました》と説明する。

「”餅餅”のほか、”餅王”という呼び名もあります。やはり、“口にしてきた夢を叶えてきた”という理由から、中国のネット上でいつしか言われ始めた称号のようで、Weibo上にも書き込まれています。あと平野さんは、中国では”pyzy”とも略されますよ。日本でいう『平野紫耀』のかな読み(ping yuan zi se yao)をした頭文字をつなげたものです。

 そういった愛称、さらには中国のネットスラング”yyds”(「永遠滴神」=yong yuan de shen、日本語でいう“神ってる”“神レベル”といった意味)と合わせ、《好きなことを続けてね》《神としか言えない》《pyzyが国内エンターテインメントに参入したら、世界に革命を起こす》など、熱烈な応援の声があるのは確かだという。

 今回、現地で大きな話題にならなかったのは、詳細情報が乏しかったからだと考えられます。平野さんが具体的な動きを見せれば、相応の反響があるでしょう」(前同)

 ジャニーズ事務所を5月22日に退所してから20日余り。4月19日に発売されたキンプリのベストアルバム『Mr.5』は、ミリオン越えの大ヒットを記録し、否が応でも今後の動向に注目が集まる平野。彼が本当に”餅王”ならば、ファンに夢や希望を中国の地からも振りまいてくれるはずだ。