■「完全に人間性が欠如している」モビーン氏は激怒
警備員の対応は丁寧ではあるが、「撮影をされてしまっているのはこちらとしてはちょっと困ってしまうので」と、まずはカメラを止めるように伝えてくる。その後、対応してくれる人物を呼ぶことになるのだが、そこで登場したのがまたしても、カイと名乗る人物だ。
しかし、カイ氏は「すでにそちらには回答しているはずです。今後のやり取りはすべてお返事をした担当と行なってください」と話すばかり。モビーン氏は「何のお返事もいただけていません」「とても深刻な疑惑が……」などと食い下がるが、取り付く島もない状態だ。
またカイ氏は、館内は「私有地」であり撮影は認められないと指摘し、カメラマンは館外に出されてしまう。さらにカメラマンは、本社の外に出てもなお別の警備員から、本社の建物自体を映さないようにと注意される一幕もあった。
問題に一切向き合おうとしないジャニーズ事務所に対し、「なんかもう全く完全に人間性が欠如している」と、絶望にも近い怒りを示すモビーン氏。ジャニーズ帝国の闇が垣間見えた瞬間だったのかもしれない。
「その後、ジュリー社長が謝罪動画と文書を発表し、外部専門家による再発防止チームが立ち上がるなど、ジャニーズ事務所も動かざるを得ない状況となりました。このBBCのドキュメンタリー番組のインパクトは、それほどまでに大きかったと言えるでしょうね」(前出のメディア関係者)
これまで、何十年も閉ざされていたジャニーズ帝国の扉は、イギリス人ジャーナリストによってこじ開けられることとなった。ジャニーズは今後、どう変わっていくのだろうか――。