■斬新な寿恵子・浜辺美波のキャラ設定

「万太郎と竹雄も人気ですが、寿恵子もそれに負けていません。その秘密は、『南総里見八犬伝』オタクという、朝ドラにしては斬新でリアルなキャラ設定です。視聴者はオタクという設定に親近感を覚え、キャラがくっきりと見えるようになります。主張のはっきりした性格も好印象で、つい応援がしたくなりますね。

 また、母・まつとの会話にもありましたが、父の愛読書でもあった『八犬伝』の影響を受け、冒険が大好きという人間性から、寿恵子は、万太郎との“結婚”を“冒険”だと捉えていると思われます。今後、やって来る金銭面などの苦難も、冒険として乗り越えてくれそうな明るい強さが、さらに人気を集めそうです」(ドラマライター/ヤマカワ)

 主張のはっきりした朝ドラの女性キャラと言えば、2020年前期に放送された『エール』で、作曲家・古関裕而の妻・金子がモデルのヒロイン・音を演じた二階堂ふみ(28)だろう。同じ夫婦もので、彼女も天然な夫を支える気丈な妻で、思ったことは何でもはっきり言わないと気が済まない、勝ち気な性格が支持された。

 しかも、全話平均で20.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)という高い視聴率を記録。2020年代に入って朝ドラで20%を超えたのは『エール』だけで、音を演じた二階堂が視聴率を大きく引き上げる役割を果たしたといえるだろう。

 万太郎夫婦は今後は東京に戻り、十徳長屋での新婚生活が始まりそうだが、寿恵子の人気はさらに続きそうだ。