第2部「東京編」が完結し、大きく物語が動き始めた神木隆之介(30)主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』。7月に入ってから、視聴者の間では特に、要潤(42)が演じる田邊彰久教授の“悪人ぶり”に注目が集まっている。
『らんまん』は、実在した植物学者・牧野富太郎の人生をモチーフにした物語。第2部「東京編」では、万太郎(神木)の結婚や、実家の酒蔵の本家分家の対立と解決などが描かれた。
「要さん演じる田邊教授は、東京大学植物学教室の初代教授です。初登場の時点で小学校中退の万太郎に対して植物学教室の出入りを許可する懐の広さを見せたものの、実際は万太郎を利用しているだけという疑いが、第2部でも示唆されてきました」(テレビ誌ライター)
たとえば、第54話(6月15日放送)では万太郎が苦労して完成させた学会誌が高く評価されるやいなや、「“監督者として”うれしいよ。君に任せてよかった」「私が雑誌を思いついたからこそ、こうして形になったわけだ」「私が雑誌作りを許したおかげで、こうして見事作ることができたじゃないか」などと、露骨に自分の手柄とアピールをする描写があった。
西洋かぶれで日常会話に英語が入り混じっているのだが、そのせいで学生たちから「ユーシー(=You see?=”分かりますか?”の意)」というあだ名で陰口をたたかれる姿もある。
そんな田邊教授だったが、第14週(7月3日~)以降は万太郎が発見した新種らしき植物標本の手柄を横取りしようとする姿が描かれた。
田邊教授は万太郎に対して、今後採集してきた植物は最初に自分に見せること、そして、その標本を持って家に来るように命令。自宅では、理路整然とこのままでは万太郎に新種の標本を発表する機会は訪れないと説明したうえで、冷酷な表情で「私のもの(部下)になりなさい」と、パワーワードを言い放ち、視聴者を恐怖させたのである。