2023年1月8日、嵐・松本潤が徳川家康を演じるNHK大河ドラマ『どうする家康』がスタートする。戦国時代から徳川幕府の成立まで、空前の豪華キャストで描かれるこの作品について、芸能界随一の大河&日本史マニアである松村邦洋氏に取材。「松潤家康」の2023年はどうなるーー? 第3回/全4回
前作『鎌倉殿の13人』で描かれた鎌倉時代から数百年後、徳川家康が生きた時代を描く『どうする家康』。松村さんが指摘する「決定的な違い」とはーー?
ーー『鎌倉殿の13人』では鎌倉時代、『どうする家康』は戦国時代と、年代がガラリと変わります。『どうする家康』に期待することはありますか?
『鎌倉殿の13人』は派閥の人たちが関わったり、民衆の数が増えていったりしてエネルギーを持った人になると、AさんとBさん自体が仲良くても周りが許さないようなことが起きますよね。
うちなんか山口県なんで、あの佐藤栄作さんが僕が幼稚園の時まだ生きてらっしゃいましたけど、選挙の時、佐藤派と岸信介派で分かれて。佐藤さんのマイクで選挙の応援する人が“岸なんかあんなもん、ろくなもんじゃない”って言ったら岸さんの応援が“なんだてめえ。この野郎”って始まってしまって、佐藤さんと岸さんが、“お前らいい加減にしてくれ、俺たち本当は仲がいいんだから”ってマイクの人に注意したと。
鎌倉にはなくて、徳川にあるものってのは、やっぱり忠義心と忠誠心ですよね。やっぱりちゃんと人を思いやる心があって。譜代大名、外様大名と分かれてますけど鎌倉殿はオール外様なんですよね。