■鎌倉殿は「オール外様」のハードモード

 (鎌倉は)オール外様でやってるわけですよ。昔からの源氏の家臣ですって来た人たちも、あんまり浮かばれてないんですよね。鎌倉はやっぱりハードモードで、家康は優しいと思います。

 褒美を欲しがる家臣とか、家康は『吾妻鏡』に沿ってる御家人はいらないんですよ。戦国の下克上はやめて、主に仕える家臣がほしかった。

 60年代の企業のために働く義理人情の社員の方々がもつ愛社精神のような、会社を儲けさせるために一蓮托生で頑張るのが家康の家臣たちじゃないですかね。僕は『プロジェクトX』だと思いますよ。あれだけ長い時間、260年持続する幕府というシステムを作れたのは、そういう点にあったんじゃないでしょうか。

松村邦洋(まつむら・くにひろ)
1967年8月11日生まれ、山口県田布施町出身のお笑いタレント。ビートたけしをはじめとする芸能人の“形態模写”ものまねで人気を博す。日本史、野球、相撲などにも詳しく、著書に「松村邦洋 今度は『どうする家康』を語る」「松村邦洋『鎌倉殿の13人』を語る」(どちらもプレジデント社)、「愛しの虎 松村邦洋の阪神タイガース応援日記」(太田出版)ほか多数。