■「現実味を強く意識した本格サイエンスフィクション」をスタッフは目指した
そして、現場の最前線で戦う主人公・ゲントの、
「上からの命令には逆らえないからな。逆らえないから、提案をする!」
「この総攻撃なんだが明らかに(怪獣に)効いてないよね? それでそろそろ君らも弾切れだよね? どうせこのまま撃ち尽くすんだったらちょっと、ちょ~っとだけでいいから俺たちのいる方にバザンガ(怪獣)誘導してくれないかな〜できる?」
といった、現場判断で別隊に協力を求める際の、リアリティのあるセリフ回し。メインターゲットである子どもに意味は通じずとも“何か”は絶対に伝わるはずだし、大人の視聴にも堪えうる熱意を感じる。
《庵野監督がシン・ウルトラマンでウルトラマンという存在の本質を描いてみせた上で、「ならこちらはこれまで誰も見たことのないウルトラマンを見せてやる」という気概を持って本家が送り出したのがブレーザー、という感じがする。「答え」として非常に頼もしい》
《ブレーザー第1話を見た時の率直な感想が「凄かった、凄いものを見た」というこの感覚。個人的にシン・ゴジラやシン・ウルトラマンを浴びた時に近い》
そんな“大きなお友達”の声も多く、まさにエポックメイキングである。
『ウルトラマンブレーザー』のメイン監督を務める田口清隆監督は、公式サイトで4月21日にこうコメントを寄せている。
《世界観からストーリー、人物造形にいたるまで、現実味を強く意識した本格サイエンスフィクションをスタッフ・キャスト一丸となって目指しました。
ウルトラマンシリーズの監督をして10年、蓄積してきたモノをガンガン注ぎ込んでいます。
今までにない、だけど王道ど真ん中の新たなるウルトラマン。まずはとにかく第1話を。観れば分かります》
“初の主人公が隊長”“従来と違うウルトラマンのスタイル”“本格的すぎる重厚なSF描写”と、令和になっても常に進化し続けるウルトラシリーズ。『シン・ウルトラマン』に続く大ヒットとなればいいが、果たして――。