本間キッド(40)、ロングサイズ伊藤(42)、中嶋享(40)によるお笑いトリオや団。伊藤演じる“分かりやすくイキすぎたキャラ”と中嶋演じる“実はもっとヤバいキャラ”が爆発的な笑いを生み、それを本間が絶妙なワードでツッコむスタイルが多い彼ら。猟奇的な要素もある彼ら独自の笑いが評価され、昨年の『キングオブコント2022』では結成15年目にして初のファイナリストとなり、3位に輝いた。
審査員のダウンタウンの松本人志(59)からは「クレイジーさと笑いのバランスが絶妙」と絶賛されており、今秋の『キングオブコント2023』に、はやくも注目が集まっているトリオである。
そんな彼らは7月13日には単独ライブ『高円寺リベンジ』を開催する。前年の単独ライブ『真夏のや団』が不入りだったことを受けての“リベンジ”は成功。すでにチケットは完売しているという。『高円寺リベンジ』の模様は配信でも見られるというが、今回は、そんなや団が、『M-1』王者である先輩の豪快すぎる奢り話から感銘を受けた日本一のラーメン店店主の金言まで語ってくれた!(#1、2のうち2)
――トリオそれぞれの趣味についての質問です。中嶋さんは1年に600杯以上ラーメンを食べたこともあるラーメン大好き芸人なんですよね。コントではラーメンに着想を得たネタはあるんでしょうか?
中嶋 あんまりないんです。
本間 ラーメンに特化したネタを、1度すごく昔に何度かやったんです。「ラーメンツッコミ」っていう、僕とロング(伊藤)がボケて、中嶋がラーメンにたとえてツッコむ、みたいな。「すげぇスベってんじゃねぇかよ。『天下一品』の床か!」みたいな。全部ことあるごとにラーメンにたとえるネタでした。昔はやってましたけど、今はやってないです。
中嶋 ラーメン屋さんの前とかでできるならそういうネタをやっても良いと思いますけど、一般のお客さんの前では弱いです。
本間 シチュエーションとして、ラーメン屋のシチュエーションはあったりしますけど。ラーメンに特化したネタはそれくらいです。
――マニアックすぎて、お客さんに伝わりづらい、ということですか。
本間 そうですね。広くは伝わらないです。
――逆に伊藤さんや本間さんは趣味から着想を得たネタはありますか?
本間 僕がプロレス好きなので、「ジャーマンスープレックス殺人事件」という、ジャーマンみたいに死んでいるところから始まるコントがあります。プロレスや格闘技っぽいネタは結構ありますね。
伊藤 僕はパチンコとか麻雀が趣味ですが、ネタを書かないです。でも、ネタを書いている本間さんはパチンコや麻雀を全然やらないので、そういうネタが生まれることはないです(笑)。
本間 パチンコをやって人生がおかしくなるキャラクターをやってもらったことはあったかも。クズ役はよくやってもらいますから。
――なるほどー。実はSNSなどではや団さんのネタを「映画みたい」と評するファンも多いんですが、好きな映画はありますか?
本間 僕は『バックトゥザフューチャー』が不動で大好きですけど、あと人生で一番繰り返してみたのは、『メリーに首ったけ』というキャメロン・ディアスのコメディ映画です。キャメロン・ディアスがかわいくて、無茶苦茶観ました。内容も大好きです。あと、タランティーノの映画が好きです。
――おお! や団さんのコントは、タランティーノ作品の匂いがします。影響を受けたところはありますか?
本間 無茶苦茶あります。だから、何かちょっと……犯罪者や悪人が主役の“ノワール映画”(※1940~50年代に特にハリウッドで流行った犯罪映画の一種)が好きで、そういうのばかり観ているからなのか、すぐに“人を埋める”とか、そういう発想になります。“強盗をする”とか、バイオレンスなことに滅茶苦茶影響を受けています。タランティーノっぽいって言われたら嬉しいです。
――伊藤さんのキャラはクレイジーですが、それまさにタランティーノのキャラみたいです。
伊藤 うーん、僕は、タランティーノ作品、まったく知らないから(笑)。
(一同爆笑)
本間 10年以上一緒に活動しているうちに、そういう役が似合うから、なるべくそっちにいくようには最近しています。
――中嶋さんのキャラも、伊藤さんと違った意味で怖いですよね。
本間 無機質な怖さというか。ちょっと普通ではないような人が映えます。何も気にせず、自分のやりたいことをするような人が。