■専門家が考える湧き水が汚染された原因とは⁉
「カンピロバクター」とはなんなのか。元東京大学医科学研究所特任教授・上昌広医師によると、
「国内でも年間で2000人ほどがカンピロバクター食中毒に感染しています。十分に加熱されていない鶏肉などを食べて感染するケースが多いです。湧き水が原因でカンピロバクターに感染することは、ほとんどありません」
とのこと。一方で、流しそうめんのオープン直後に症状を訴える患者はいなかったものの、8月11日以降に食中毒症状を訴えた患者が多いのはなぜなのか。
「湧き水の原水が何らかの形で汚染されたのだと思います。たとえば、野生動物の死骸が置かれていたり、排せつ物が放置されていたなどが原因としては考えられるのではないでしょうか」(前同)
秋の行楽シーズンはこれから本番。山や川に出向く方も多いだろう。大自然の中でのハイキングやキャンプで日頃の疲れを癒したい――そう思って山に遊びに行く人が気をつけるべきポイントはあるのか。前出の上昌広医師はこう言う。
「上下水道で管理されていない水は、飲まないのが正解です。湧き水を飲むことで食中毒に感染するリスクがあるということは、今回の事例からも分かりました。危険は冒さないのが一番です」
もうしばらくすれば残暑も落ち着き、絶好の行楽シーズンになってくる。くれぐれも山での“水”にはご注意を。