■芸能人も多く取り組むブラジリアン柔術

 ブラジリアン柔術の黒帯は武道の中でも最難関と言われるが、福島・玉木の青帯、岡田の茶帯の“レベル感”を、青木氏が事細かに話してくれた。

「茶帯は黒帯の一歩手前で、かなりやり込んでいますね。青帯は、競技レベル的には“普通”です。福島さんは部門チャンピオン。ただ、格闘技の世界チャンピオンというと、多くの人は体重別だけでのトップをイメージすると思うんですよ。

 たとえば柔道の日本チャンピオンといえば、もうオリンピックレベル。でもブラジリアン柔術だと、実際には年齢別、帯別など、細かく分けられた部門での優勝がある。チャンピオンが誕生しやすい競技なんですよ」

 ブラジリアン柔術の大会では、「アダルト(18歳~29歳)」と、30歳からは5歳刻みで「マスター1」から「マスター6」まで、さらに「マスター7」という60歳以上の7部門に分かれているが、自分の実年齢より下の部門の試合には出場できる。つまり「アダルト」部門が18歳以上・実質年齢制限なしということで、ここで実績を出せば文句なしの実力者というわけだ。

「柔道二段の福島さんは、道着を着て柔道をやっていた経験があるということで、アドバンテージはあったと思う。普通に生きていたら、道着の取り回し方なんてわかんないですから」(前同)

 公式試合初出場となった岡田と玉木の2人は、ともに一般クラスでも練習をしてきたという。芸能人が多くブラジリアン柔術に取り組む実情について、青木氏は「そういえば」と、付け加える。

「芸能人の方は、何かを習う時に一般のクラスだとやりづらいってのがあると思うんですよね。ワーワー言われたり、厄介なこと多そうじゃないですか。

 ブラジリアン柔術の場合はプライベートレッスンがあり、1対1で習うと上達もしやすい。しかもお金をかけた分は、それなりにレベルアップが見込める。芸能人向きの”道楽”ですよ」

 芸能人では品川庄司品川祐(51)やドランクドラゴン鈴木拓(47)がブラジリアン柔術をやっていることを公言しているほか、ジャニーズ事務所で岡田の先輩にあたる木村拓哉(50)も習得に励んでいる。ジャニーズ出身、あるいは所属タレントも興味を持ちやすいのだろうか。

「木村さんについては、知らないです。(ジャニーズタレントが道場に通うとしたら)護身のためですかね?(笑)」(前同)

 ファンの暴徒化がしばしば事件報道される昨今。ブラジリアン柔術ではないにせよ、タレントが護身術を身につけておいたほうがいいのは、ごもっともかもしれない。