■キーワードは「エネルギー資源」
「そもそも、乃木の裏切りで狙撃された別班4人は現場に放置されていたのに、テントが乃木だけでなく黒須も連れて行くどころか、怪我の手当てまでしているのが少々不自然ですよね。だから、実は黒須が裏でテントと通じているのではないか、と疑われているんです。そして、“表の顔”もテントの動きと合致するところがあるんですよね……」
乃木が総合商社「丸菱商事」に務めているように、別班はそれぞれ表向きには海外出張しやすい職業に就いている。そして、黒須は表向きは「JKT資源開発株式会社」で、地下資源の探索、掘削の研究開発を行なうエンジニアとして働いている。
資源開発――この業種で連想されるのが、バルカ共和国の経済情勢だ。
「バルカ共和国は銅精鉱、フローライト、コバルト、石炭など地下資源が豊富で、日本にとって重要な資源供給国です。そして、テントは3年前から捜査機関に存在が明るみに出るのを承知でテロ活動などを活発化させ、それで得た資金で多くの土地を買い漁っている。
これは土地に眠る資源を確保し、それにより“外交”などで優位な立場になることを狙っているのではないか、と予想されています。そして、そのことが、黒須が働く資源会社と関係づけられているんです」
テントの土地購入について、
《黒須の表の職業が「地下資源などの探査掘削の研究開発 エンジニア」これが、生かされている理由。買い占めている土地は地下資源があって、半年後に日本の会社が調査が始まるんだと思う》
《資源開発……黒須の会社確か………》
《テントが地下資源を狙ってるなら経産省役人か黒須のどっちかがテントの内通者かな?》
と、黒須や、さらに別班で経済産業省資源エネルギー庁の高田明敏(市川笑三郎/53)などを疑う声は多い。
「高田も怪しいですが、4人まとめて乃木に胸を撃たれ、戦線離脱していますからね……。
撃たれた4人は即死で、公安とバルカ警察の立ち合いのもと“4つの棺桶”が成田行きの飛行機に積み込まれたことをテント本部で幹部・パトラカ(林泰文)が報告し、それを聞いた黒須が激怒していましたが、これについても黒須やテントをハメる罠ではないか、という声もあります」