■いよいよクライマックス、最後の“黒幕”本命は――
“過剰な裏切り”をしない展開という意味では、知名度が高い俳優が演じる登場人物は、クライマックスに向け重要な役回りをこなすということだろう。実は最後の“黒幕”だった、という可能性も十分に考えられる。
たとえば、小日向文世(69)が演じた丸菱商事の長野専務。一度は「別班」の疑いがかけられたものの、そうではなかったことが判明している。
「SNS上では、バルカの内乱中に人身売買組織にさらわれ、物乞いをさせられていた幼い乃木を助けた戦場ジャーナリストが、若かりし頃の長野専務だったのではないかとの考察もありますね。第4話で野崎の“別班ではないのか”という取り調べを切り抜けたあとに、意味深な苦い顔を浮かべています。
予想できない展開が続きますが、視聴者の期待は裏切らない『VIVANT』なので、あのシーンは何か重要なものを示唆していると考えるのが自然です」(前出のドラマウォッチャー)
そんな俳優がもう一人。序盤に登場しただけでその後、出番がないのが檀れい(52)演じる駐バルカ共和国特命全権大使・西岡英子だ。バルカ警察に追われる乃木や野崎を助けると言いながらも裏でバルカ政府とつながり、乃木らをバルカ警察に引き渡そうとした。
「国家の危機に関わる物語なのに、政府関係者があまり出てこない。去り際にもバルカと日本の関係に触れた意味深発言を残している。そういう意味で、西岡は重要な人物でもあるはずです。檀れいさんという有名俳優を起用していることもあり、まだまだ出番があるかもしれません」(前同)
絶妙なキャスティングながら、“過剰な裏切り”はせずに視聴者の期待に応え、“考察の楽しさ”を提供している『VIVANT』。大いに盛り上がるその裏側には、緻密な計算がある。