■数字が良くなる法則がある?

「最近のドラマの傾向として、《考察もの》と《ツッコミもの》の作品の数字が良いんです。『向井くん』は男女間の恋愛観の違いを訴え、『ばらかもん』は癒し系のドラマ。内容的には良くできていますが、どちらも数字が良くなる法則に当てはまらないんです」(テレビ誌ライター)

 今期、数字が好調なのは、『VIVANT』(TBS系、日曜夜9時)の世帯平均視聴率が14.9%(第9話)と断トツ。また、『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系、木曜夜10時)も10.5%(第8話)と2ケタ台にのせた。どちらも回を追うごとに謎が深まり、視聴者の考察が盛り上がっている。

 さらに、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系、月曜夜9時)は、脚本や演出への批判の声も多いが、ツッコミどころ多く、こちらも盛り上がっている。配信サービス・TVerのお気に入り登録が116.0万と、『VIVANT』と『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系、土曜夜10時)に次ぐ3位で、最終回に向けて数字を伸ばしている。

「考察とツッコミで盛り上がるのは、いわゆる視聴者参加型のドラマだということ。最近はスマホ片手に、X(ツイッター)にポストしたり、タイムラインを追うのが、テレビの視聴スタイルです。3作品ともそのスタイルに合っているんです」(前同)

 4月期ドラマでは、『風間公親-教場0-』(フジテレビ系、月曜夜9時)が不自然なトリックにツッコミが相次ぎ、『unknown』(テレビ朝日系、火曜夜9時)は数々の伏線が張られ、犯人の考察で盛り上がった。『教場0』は全話平均視聴率が9.8%、『unknown』が6.2%とどちらもまずまずの数字を残し、TVerのドラマランキングでも上位をキープしていた。

 登場人物に思い入れし、物語の展開に一喜一憂する。令和のドラマは、そんな見方に変わってきているようだ。